4月20日から21日にかけて、リサーチパネルでは9万8436人のユーザーに向けて、「外資系企業で働きたいと思いますか?」というネット調査を行った。その結果、過去に外資系企業で働いたことがない人で「働いてみたい」と回答した人は19.2%。日本人のおよそ2割の人が外資系企業に大いに興味を持っていることが明らかになった。


 そして、同調査を実施するにあたり、当ニュース編集部では外資系企業の特に“雇用体制”についてリサーチするべく、某外資系ITメーカーの日本法人に勤める20代後半の社員・Aさんにインタビューを実施。インタビューから聞き出せたのは、“エグい”とすら感じてしまうその内情であった。

Aさんが働く外資系ITメーカー・B社は、アメリカに本社を置く大企業。日本法人にも1000人以上の社員が在籍している。Aさんによれば、B社では近年大幅な人員削減が行われ、日本法人でも100人以上の社員が「クビを切られた」そう。


 クビを切られたといっても、会社から正当な手順で解雇されたわけではない社員が多いようだ。日本には労働基準法という法律があり、その解雇条項には「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と記されている。


 つまり、明確な理由がなくてはクビを切ることができないため、日本法人では解雇対象の社員に対しては主に、「自主退職に追い込む」という方法がとられるのだという。


 勤続10年以上のベテランの社員が、ある日突然担当の仕事から外され、会社から「これから社内で自分で仕事を探してください。どんなことが出来るか会社は期待しています」という内容の通達を受けるも、結局社内浪人状態になり自ら退職を申し出るというようなことが日常的にあるそうだ。


 前段階である「担当から外す」ための追い込み方も様々だそうで、Aさんはこれについて、「顧客と組んで顧客側からクレームを出させたり、仕事が出来なくなるように大事なデータを勝手に削除したりみたいな、悪どいことばっかりですよ」と語った。


 Aさんは他に、最も見るに堪えなかった追い込み方として“暴力”という方法も挙げた。

「まだ会社入って間もない頃でしたけど、部の人たちみんなでカラオケに行った時に達成率の低い先輩が部長から怒られはじめたんです。その怒り方っていうのが普通じゃなくて、裸で正座させてマイクで思いっきり殴りながら『クズが! やめちまえよ』って罵倒するっていう……。先輩は血まみれになりながら謝ってましたよ」。


 Aさんはこれについてさらに、「その先輩は妻子持ちだったから仕事失いたくなくて必死だったんだと思います。この光景見た時は『えらいとこ入っちゃったなぁ』って思いました」と話し、ため息をついていた。

またAさんは、自身が先輩社員を自主退職に追い込んだという体験についても語ってくれた。


 営業担当であるAさんは以前、自分より10歳年上のSE(システムエンジニア)と組んで仕事をしていたそうだが、ある日上司から「あのSEを切れ」との指示を受けてしまったのだそうだ。悩んだAさんであったが、そのSEは顧客からの評価も低かったため、どうしても切らざるを得なくなってしまった。


 しかし、自分が切られるかもしれないことを察知したSEはAさんを事前に呼び出して裏交渉を図ったそうだ。この時のことについてAさんは次のように話した。


「SEがいる部屋にいったら、いきなりパソコンの画面を見せられたんです。そこには2人の子どもの写真がデカデカと映し出されてました。で、『これ、うちの子です。おれの生きがいなんだ』って言われたんです。もちろん胸は痛みましたけど、その場では『そうっすか』って冷たく返しました。これから切らなきゃいけない人に情けなんてもってられないですから」。


 結局会議室で怒鳴り合った末にそのSEを担当から外したというAさんだが、その後のことについて、「部屋出た後、デスクに戻ってパソコン開いたんですけど、手が震えて仕事にならなかった。あぁ、この人今のおれの発言で仕事失っちゃうんだって考えたらさっきの子どもの写真も頭に浮かんじゃって」と切なげに話していた。(

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