テクノロジーの発展、不確実な未来。そんな現代にあって時代を貫いて普遍的なテーマである「愛」。森美術館が10周年を記念するテーマとして選んだのが、人間の根源的な希求であり、古今東西、あらゆるジャンルの芸術家たちに多彩なインスピレーションを与え続けてきた、この「愛」である。

 森美術館は、2013年4月26日(金)から9月1日(日)まで「LOVE展:アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで」を開催する。六本木ヒルズ・森美術館10周年を記念して開催する本展は、人間にとってかけがえのない「愛」をテーマに掲げ、美術史を彩る名作や意欲的な新作を含む約200点を通して、恋愛から始まり、家族愛、人類愛へと広がる愛のかたちを探るもの。

 まずは、印象派からモダンアートまで、絵画からインスタレーションやビデオクリップまで、驚くばかりの時代やアートのジャンルを超えた出展作品とアーティストの多彩さを見てほしい。「愛」というテーマがいかにアーティストを、そして人を引き付けるかというのがわかる。

 見どころをピックアップしただけでも、まずMoMA、TATE所蔵の西洋美術史を彩る名画が勢ぞろい。ジョン・コンスタブル、フランシス・ピカビア、ルネ・マグリット、フリーダ・カーロなどだが、なかでもフリーダ・カーロの《私の祖父母、両親そして私(家計図)》とフランシス・ピカビアの《恋人のポートレート》、ロバート・インディアナの油彩《ラブ》は、本邦初公開。

 現代美術界のスター、デビッド・ホックニーやデミアン・ハーストなどの代表作品や、今をときめく草間彌生の新作インスタレーションも出品される。

 また、ボーカロイドの歌姫、初音ミクが登場。「愛」の今日的なつながりと熱狂を伝える。

 六本木ヒルズと森美術館の10周年を記念し、制作されたジャン=ミシェル・オトニエルの彫刻作品《Kin no Kikoro》が、六本木ヒルズ内の歴史ある毛利庭園の池にパブリックアートとして新設されるのも注目だ。

 本展では、「愛」の持つ様々な側面をアートを通して表現しており、誰かをいとおしく思い、何かを大事にする気持ち、他者を受け入れる寛容さなどの一方、執着、嫉妬、憎しみ、悩み、敵対心などの感情をも引き起こすことにも注目している。アート作品を「愛ってなに?」、「恋するふたり」、「愛を失うとき」、「家族と愛」、「広がる愛」の5つのセクションに分けて、複雑で変化に富んだ「愛」の姿をたどる。

 2011年に未曾有の震災を経験した日本において、紛争の絶えない世界状況の中でアートを通して、あらためて人とのつながり、愛の多様性と可能性について問いかけるという本展。数多くの作品が表現する様々な「愛」のメッセージを受け取ってほしい。

「LOVE展:アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで」
会場:森美術館 東京都六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
日時:2013年4月26日(金)~9月1日(日)、10:00-22:00(火曜日は10:00-17:00)
いずれも入館は閉館時間の30分前まで、会期中無休
入場料:一般1,500円、学生(高校・大学生)1,000円、子供(4歳-中学生)500円いずれも税込み)
お問い合わせ: Tel 03-5777-8600(ハローダイヤル)

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