distance/揺蕩う慕情/20・リツヤとサクヤ-1 | 花の兎 雪の兎~オリジナルと2次元 2.5次元BL~

花の兎 雪の兎~オリジナルと2次元 2.5次元BL~

日々のあれこれ、気ままに創作、なんでもありのブログかな?

携帯の呼び出し音が しつこいくらいに 狭い部屋で鳴り響いていた。
さっきから メールやら何やら うるさくてたまらない・・・・・・・・。
どうせ 飲みに行った級友たちだろうと 放っておいたのだけど 一向にそれは止みそうになくて 俺は 重い身体を起こした。
あれから 俺は どうやって家に帰ったのだろう・・・・・・・。
いつ帰ってきて こうして ベッドに横になっている・・・・・・・・・なんてことも覚えてない。
なにも考えれずに ただ ぼーっと いつものように歩いて帰ってきて・・・・・・・・・・・。
いつものように 玄関の鍵を開け
いつものように 靴を脱いで
いつものように 重たいバッグを床に置き
いつものように ベッドへと横たわった・・・・・・・・・。
そんなとこだろうけれど 全然記憶になかった。

俺が覚えているのは・・・・・・・

『・・・・・・・・・・・・・別れるから』

『悪いが お前とは終わりだ』

そう言って 冷たく俺を突き放した綾人さんの 冷ややかで美しい顔だけで・・・・・・・・・。


       


俺はいま・・・・・・・・・
自分の感情さえもわからない。
何も 考えたくないし
何も 感じたくはない。
考えても・・・・・・・・・
あの人を取り戻す術を俺は知らない。
感じてしまったら・・・・・・・
この現実に 俺は耐え切れないから。

あの人は 俺を切り捨てた。

俺のことを知って 再び 自由な世界へと戻って行った。

ただ それだけ・・・・・・・・・・・。

あの人を知らなかった頃に戻りたい。
あの人の全てを欲しいと 無理な欲望に溺れてしまった自分を消し去りたい。
この先
あの人なしの生活なんて・・・・・・・・・・・・・・考えられやしないから・・・・・・・・・。



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