「まぁ、使わないに越したことはないか」
リュウの言葉に マオは頷いて「大丈夫だよ」と言った。
「・・・・・・?」
「ユウさんはきっと大丈夫。僕が大輔さんのところにぜったい帰るように ユウさんもリュウさんのところに帰るために頑張ってるよ」
「・・・・・・・・・・」
「だから・・・リュウさんも信じてあげて。不安なんて感じないで」
大きなマオの瞳が うるうると涙目になって訴えてきている。
自分がずっと感じていた不安をダイレクトに感じたのだろう。
彼は 心優しく感受性が強い子だ。
リュウは
「・・・・あいつの帰るところなんて俺のとこしかねぇよな。あんな捻くれものでじゃじゃ馬な奴、俺しか相手できねぇしな」
と ユウのいつもの嫌味ったらしい物言いを思い出して 幸せそうに微笑んだ。
Illustrated by 三倉リョウさま