「な? マオにこの気持ちはなんと言うんだと聞いたら「好き」とか「愛してる」と言うんだと言ったから・・・。的確ではなかったか?」
「・・・・・俺も「愛してる」よ。ぜったい 死ぬまで愛してる」
「・・・・「死」という概念はやはりまだ理解できないが・・・いつか俺が「無」になっても ユキヒとともにいたいと思っている」
「・・・・・あぁ・・・」
滝口は そっと薄い色をしたくちびるに自分のそれを重ねた。
「な?・・・・なんで 接吻なんて・・・」
「ゆん・・・、キス、と言ってくれ」
「俺とその・・・接吻して交配しても意味がないのに」
きょとん、としているゆんに 滝口は大きなため息をつくと
「まぁ、人生長いからね。ゆっくりと教えてやるよ。それと 「交配」もやめてくれ」
と項垂れた。
「じゃあ・・・、「まぐわい」か? あれは男女がするものであって・・・」
「はいはい。とりあえず親子丼作ろうな。そして ここをほっこりさせよう」
滝口は ゆんの胸に自分の手のひらを当てると笑った。
・・・永遠ということがあるのを ゆんにも教えてやるから・・・ふたりでいつも温かな気持ちでいよう・・・
ゆんも その笑顔に釣られて「ほっこり、というのか。ほっこり・・・」と微笑んだのだった。