いつもより遅れた年賀状 4 | 花の兎 雪の兎~オリジナルと2次元 2.5次元BL~

花の兎 雪の兎~オリジナルと2次元 2.5次元BL~

日々のあれこれ、気ままに創作、なんでもありのブログかな?

・・・ううん、ううん、違う、そんなことない

 

 

僕は下くちびるをかみしめながら 頭を横にぶんぶん、と振った。

 

 

「僕も、ちゃんと二人の思い出残したい」

 

「よし、それをポストに出したら 一緒に来年の年賀状の写真を選ぼう。それとも新しく撮るか?」

 

 

「・・・・・・僕、一緒に選ぶ方がいい。たくさん現像してない写真あるもの」

 

「決まり。じゃ 散歩がてらとっとと年賀状を投函。帰ったら世界に一枚だけの二人の年賀状、作ろうな」

 

 

笑う大ちゃん。

 

むかしより目じりにしわが増えても 優しくあたたかな瞳は同じ。

 

そして 彼の瞳の中に映る僕も 一緒に過ごした分だけ年を取っている。

 

来年も、再来年も、その先も 僕らは世界でたった一枚の僕らだけの年賀状を作っていくんだ。

 

 

「・・・・・・大ちゃん・・・、大好き」

 

「そんなことわかってるって。俺も好きだぞ」

 

 

「僕も分かってるって・・・。あ、コート着なきゃ。帰りに買い物していい?」

 

「はいはい。ちゃんと厚着しろよ。年末に風邪でもひかれたらたまらないしな」

 

 

「大ちゃんこそっ」

 

 

他愛のない日常。

 

不安なことはままあるけれど 大ちゃんはそれを見逃さずに僕に欲しい言葉をくれる。

 

僕もちゃんと大ちゃんにそうできる人間でありたいと思う。

 

いつもより多い年賀状。

 

違う柄で僕と大ちゃんの年賀状が届いた友人たちも きっとわかってくれると思う。

 

 

今年も一年 ありがとう。

 

来年も仲良く過ごしていこうね、大ちゃん