「あ、うん。あと10分だ。早くしないと今年も終わっちゃうね」
「あぁ・・・、とその前に」
キッチンに来た僕の二の腕をつかんで大輔さんは ちょっとだけ強引に僕を引き寄せ抱きしめた。
「俺はきみたちと生きると決めた。俺が決めたんだ。きみが責任を感じると悲しくなるよ」
「・・・・・・大輔さん・・・」
「何回でも言うよ。俺は後悔はしていない。マオと離れて生きていくことは考えられないんだ。だから・・・そばにいさせてくれ」
「でも 危ない目に合うよ。僕らは「組織」から狙われて・・・」
僕の言葉を遮るように 大輔さんのくちびるが僕のくちびると重なった。
・・・大丈夫。僕は生きる。大輔さんを守る。まだまだ綾人さんやタキグチさん、ユウキさんたちに比べたら未熟だけど 大輔さんといたいから生きていく
「まったく、どこまで買い物行ってたんだよ」
「すみません。でも珍しいものを見つけたのですが・・・」
「はい。スルメです。日本人の観光客用の店にあったんです」
「おぉぉぉ、やりぃっ。愛してるぜ」