あと今年も残りわずか。
4人そろって 来年も過ごせますように。
むかしなら「希望」なんて持たなかった。
だけど 僕も綾人さんも確かに幸せを感じて生きている。
遠く離れて隠れ住んでいる仲間たちも、きっと・・・
「かんぱーい」
「ちょっと、綾人さん、勝手に飲まないでくださいっ。まだ0時じゃ」
「うっせぇよ、律。その・・・大輔・・・も来い。マオも早く」
照れながら「大輔」呼びする綾人さんに僕は「綾人さんは照れてるときにはわかりやすいから直したら? 一流のスパイのはずなのに」と嫌味を言った。
「うっせっっ、お前、マオのくせに」
「なに、それ・・・」
「「まぁまぁ、ふたりとも」」
ハモる大輔さんと律さん。
いつ崩れるかわからない幸せの空間を きちんと僕は心に刻んでいこう。
「ほら、乾杯」
「ハッピーニューイヤー」
それぞれのグラスにシャンパンをついで 僕らはグラスを合わせ そうして窓辺のグラスたちにも向かって「乾杯」と言った。
ハッピーニューイヤー 2023