ただの虚無感しかここにはない。
あなたと別れる時が こんなに早いだなんて思わなかった。
あなたとの残された時間がわかっていたなら 僕はもっと一緒にいたかった。
ううん、別れの時が来るだなんて 僕は考えもしなかった。
あなたといるのが当たり前で 僕の世界はあなた中心で あなたと永遠に生きていくとを疑ったことはなかった。
うっすらと瞳を開けると ベッドの横に飾っている写真のあなたが微笑んでいる。
目元をくしゃりとした破綻した笑顔。
せっかくのイケメンなのに 愛くるしく笑っている彼。
飾ることも気取ることもない本当の笑顔が 一枚の写真という「紙」になって ずっとそばにいてくれる。
「でもね・・・、実物がいいんだよ。だって 話しかけても答えてくれないし」
僕が手を伸ばしても抱きしめてもくれない。
時間が経てば思いは薄れてくれるのだろうか?
それも寂しい。
「大ちゃんが助けた男の子も重い十字架を背負ったんだよ。そんなの本望じゃないだろ?」