今日は子ども達が、
早く寝てくれた。

義父は、
「早く行きなさい。
自分の時間を大切にして。
茂は付いていくな。
りんちゃんの集まりなんだから。
そこにおまえが行ったら、
せっかくの息抜きにならない。
少し離れてあげなさい」
と言ってくれた。

さすが義父だ。
そう茂さんが、
ずっとくっ付いてくる。
だからプライベートな時間は、
大学の友達と遊ぶ時くらい。
近所の友達と飲み会するときは
必ず付いてくる。

茂さんは、
「そうだね。
楽しんできてね」と
言ってくれた。

車で行くと、
15分くらいと近い。
20時には着いていた。
綺麗な戸建!
インターフォンを押すと、
迎え入れてくれた。
とっても懐かしい感じがする人。
「りんちゃんね、初めまして」
あれ?これは?
「初めまして。
よろしくお願いします」

この奥様が、
みんなのピアノを見てくれる。
でもそんなウルサイ事は
言わずに、アドバイス程度。
あとは好きな曲を弾く。

「りんちゃん、
座って待っててね」

み、み、みんな上手い。
趣味でも続けるだけあるなー。
さすが。

私の番になった。
「りんちゃん何やる?」

「私はバッハの平均律を
持ってきました!」

「珍しいー!バッハが好き?」

「はい、バッハ大好きです」

「弾いてみて!弾いてみて!」

弾き終わると、
奥様はすごい褒めてくれて、
やる気を出す事を言ってくれる。

このサークルは、
男性の方が多い。
女性は私を入れて三人。
二人は私より年上。

変なゴタゴタには、
巻き込まれなそう.....

飲み会に少しだけ
参加することにした。
飲めないけれど。

みんなピアノが大好き。
奥様は豪快な感じで、
とってもフレンドリー。
奥様の名前は、
さやかさん。仮名。

あっという間に、
仲良くなれた。
さやかさんは、
中学から大学、
そして結婚するまで、
カナダにいたそうだ。
あー、やっぱりなぁ。
なんとなく同じニオイがする。

さやかさんが、
たまには連弾やらない?と
提案してくれた。
くじ引きで決めた。

私は紺野くんとペアになった。
紺野くんは、
薬局のお兄ちゃんだ。

彼との思い出は、
ほろ苦く、でも、
私は救われた。