私の変化に、
やっぱりいち早く気が付くのは
茂さんだ。

そうだよね。

そうなんだよ。

心配をしてくれる。
どうしたの?って優しく
聞いてくれる。
何かツライ事があったの?って
聞こうとしてくれる。

夢の中に住んでいる私には、
遠くのほうから、
茂さんの声が聞こえる。
夢じゃないか。
現実逃避して
殻に閉じこもってる私。

何でもないよ、
って言うものの、
絶対に何でもないわけない。
もしかしたら、
私だけじゃなくて、
茂さんの人生まで、
私は不幸にさせてしまったのかも。
それを考えると、
胸が痛む。苦しい。

そうだ、落ち着いて考えたら、
普通だったら、
好きじゃない人に、
どんなにアタックされても
付き合わないよね。
私は今まで、
根負けして付き合った事もない。
茂さん以外で。
平常時だったら、
絶対に断り続けていた。
むしろしつこいと嫌悪だ。

茂さんは、
紺ちゃんと私の関係を
疑い始めてしまった。