次の日も、
エセセレブに会った。
もしかしたら、
時間を狙っていたのかも?

昨日の話のことを
言ってきた。

「りんちゃんの気持ちを
考えずに話してごめんね」

と謝ってきてくれたのだ。
私は内心は、
全く羨ましくもないし、
嘘だということもわかっているが、
夫が無職なことを引き合いにだし、
妬んじゃうし悲しいな、と
言ってみた。
自分の話ばかりするのは、
もしかしたらこんな気持ちに
なる人もいるかもねーって意味で。

「わかってくれて良かった。
あなたなら優しい人だから、
絶対にわかってくれると
信じていたけどね。
わざわざ謝ってくれて、
ありがとう。気にしないでね」
と伝えた。

彼女から、
もっと褒めて!というのが、
何となく伝わる。
あぁ、やっぱりそうなんだ。

そして彼女は、
「話を聞いてくれる?」
と言ってきた。

「いいけど立ち話でいいかな?」
と伝えると、いいと言う。

彼女の本当の生い立ち、
両親、学校生活、友達、
恋人、社会人の時、、、、。
今までの全部を話してくれた。
やっぱり今まで話してたことは、
全て嘘だった。

でも話を聞いているうちに
わかったことは、
「認められたい」という欲求を
満たしてくれる人が身近に
いなかったこと。
無償の愛を感じたことがなく、
いつも頑張っても空虚な心を
感じていること。
だから、
自分の存在価値を、
近所の井戸端会議で確認したくなる。

認めてほしい、
すごいと言ってほしい、
愛してほしい、

エセセレブの
心の声が聞こえた気がした。
悲鳴をあげている心の声。

成果じゃなくて、
本当の私を褒めてほしい。
そんなことも感じた。

私は彼女に、
私が思っている分の、
彼女の良いところを
たくさん伝えてみた。

また彼女は、
満足して帰って行った。