行ってしまった

（本編再開）

週末、
有香ちゃんのママが
一時退院出来ると聞いて、
迎えに行くことにした。

朝8時。
子ども達と茂さんは、
駐車場にいて、
私は病室に向かった。

一時退院の準備を、
ルンルンとしているのが、
病室前から感じる。
誰かと電話で話してる。

私が病室に入ると、
驚いていた。
「迎えにきたよ。」と
私はママさんに言った。

「ごめん、、、。
一緒には行けない、、、」

「彼が迎えに来るの？
あなたまた傷つくだけだよ？」

「大丈夫だから。
もう今度は大丈夫だから」
何が大丈夫なんだよ。

押し問答しているうちに、
不倫男が迎えに来た。
でもこの男、最悪。
私がいるのが分かると、
「ごゆっくり。
またお見舞い来ます」と
白々しく言って、
病室から出ていこうとした。
絶対に、こいつは、
一緒になろうなんて思ってない。
本当に愛してたら、
そんなことしない。

ママさんは、
「待って、待って。
行くから行くから」と言っていた。
私はママさんの腕を掴んだが、
振りほどいた。

結局、
ママさんは不倫男のところへ
行ってしまった。