まさにいまさらながらというか・・・、ずっと気にはなっていたんだけど、なかなか足がむかず、
でもようやくというか・・・。ええ、みましたわ!『君の名は。』。
で、見終わっての感想は・・・。
これ、、、、『四月のある晴れた日に100%の女の子に出会うことについて』(講談社:カンガルー日和収録 村上春樹著)やんか!
村上春樹の物語でも、5本の指に入るくらい好きな物語。
実は映画化されていて、主演の女の子は若き日の室井滋。
もう20年以上も前に通販で買いました(1983年 映画題は『100%の女の子』。
https://www.youtube.com/watch?v=1fQZN-8sKg8
短編でストーリ―がドラマチックでそれでいて、描くシチュエーションが少ないからかアマチュアの方もつくっておられます
https://www.youtube.com/watch?v=1fQZN-8sKg8
あとは過去(未来?)の相手に対するやりとりという点では『イルマーレ』かな。
『イルマーレ』自体ももともと韓国の映画だったのをハリウッドでリメイクした作品。
めずらしく、オリジナルを凌駕したとされる作品で、主演はキアヌ・リーブス。
幻想的で、SFチックで、ロマンチックで、そして誰もが憧れる『自分だけに特別の何か』を探し、それが自分の思い人でもある!という題材なら、まあそらヒットするわな。
でも、僕にとっては『四月の~』と『イルマーレ』いいとこどりの二番・三番煎じに見えたわけで、最後までみたし、それなりにみれたけど、感動もおもしろさも半減以下でした。
これに関して、ネットでも議論になってるみたいですなー。
『君の名は。』擁護派の人たちは、これだけ映画が作られ、ありとあらゆるパターンがでている現在において、過去の類似性を問うこと自体ナンセンス!という人たち。
否定派の人たちは、それでもやっぱり二番煎じやんか!完全におなじでなきゃパクッていいならば、中国の類似コピーや著作権を否定することだと・・・。
僕はアイデアなんでパクッていいとは思わないけど、それでもやっぱりこれだけ物語があふれている現代において、まったくオリジナルなアイデアやシチュエーションを考えることは至難の業だと思うんで、それ自体は積極的に肯定はしないけど、否定もしない。でもパクリ元がわかってしまったり、類似性が強く印象に残る作り方はすべきでないと思う。だってしらけるやん!
設定がストーリーの核となるような物語だけに、じゃあどうしたらいい、みたいなことは言えないんだけど、それでもこの作りは、
・男女逆転の入れ替わりは『転校生』
・過去(未来)の思い人との対話は『イルマーレ』
・理想の探し人がいて、それとはわからずにすれ違っている『四月の~』
それそれのコアな設定と演出をいいとこどりして意味のあるストーリーにつなげた作品って感じでした。
類似元がそれなりに昔の作品なので、上記3作品をまったくしらない人なら、感動し、わくわくし、涙する!ってのができただろうし、だから大ヒットしたんだろうと思う。
『君の名は。』は評論家やクリエーターに大変評判が悪いらしい。
多分僕が感じたのと同じように、むしろ彼らがプロであるがゆえに、マージ元を容易に想像できてしまい、なので、純粋にストーリーを楽しむ前に、設定自体、演出自体の類似性が鼻についてしまって楽しめないんだろう。そしてなによりマージ元のアイデアが何かわからない人たちには大変魅力的に映ってしまうのがわかるんで余計にしらけるという話なのかなあと思う次第です。