立命館大学 国際平和ミュージアムで開催中の「世界報道写真展


報道写真てのは、どうしてこうも心揺さぶられるのだろう。


それは・・・それが、紛れもなく現実を切り取ったモノだから。


絵画も演劇もそれなりに感動するけど、所詮虚構の世界。


もっと深いもの 痛ましいもの 苦しいものがある。事実・現実ということからは


何をも越える感動と波動が伝わってくるのだ。


だから世界のフォトジャーナリスト達は 瞬間のために命をかけるのだろう。



私の心に焼き付いた一枚。

今回 報道写真大賞を取ったアメリカのジョン・スタンマイヤーの作品



アフリカのジブチで夜の海岸に立ち 携帯電話を掲げて隣国ソマリアからの安い電波をとらえようとする

出稼ぎ労働者達。

外国に住む家族との連絡をかろうじて維持している。

よりよい生活を求めて中東やヨーロッパへ渡ろうとする出稼ぎ労働者達の貧困と

今の時代を象徴する 携帯というツール。あまりにも両極端であり皮肉と矛盾を内包している。



たしかに、中南米のマフィアの抗争や、血が飛び交う銃撃戦をとらえた瞬間。


フィリピンの台風でなぎ倒された破壊された町。


今なお同じ時代に続くあらゆる戦争のワンシーンは正視できないくらいだが


動物やスポーツ選手の躍動美もある。


こういう写真展に優劣をつけるのは難しいけど 単に写真としての出来 だけでなく


テーマ性が際立っているというだけでもなく・・・


やはり、観るものに何を伝えようとするか という姿勢の問題なのではないだろうか。