松尾スズキの世界。


森ノ宮ピロティホールでの、「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」

岡田将生はじめとする、綺羅星のごとき美少年たちと、阿部サダヲ 寺島しのぶ 吹越満という芸達者たち。

おもしろくないわけがない。

休憩はさんで3時間がノンストップ。


国境も性別も生死も越えて“居場所とは何なのか?”を問う、戦場ボーイズラブロードムービーが誕生!! というのは、キャッチコピー。


BLは嫌いじゃない。というか、結構好き。

ホストクラブは行ったことないけど、すっかりおばさんになる前、若い頃から

美少年に興味はあったし、美しく生まれたがために歩む人生というのもあるのだろうか、と 考えてた。


女性が美人に生まれてそれなりの人生をつかむというのは、与えられた特権で

当たり前と言っちゃ当たり前だけど、美少年の場合はどうなんだろう。

男性でも女性でも、それを自覚する所からどんな人生が始まるのだろう。

お話は・・・
とある国で非合法の男性売春が横行しているという情報を得たベストセラー作家・永野は実態調査のため現地に潜入する。観光客や地元好事家たちの前で踊りその目を楽しませている美しい少年ダンサーたち“ゴーゴーボーイ”が怪しいという噂だ。永野は調査を続けるうちにゴーゴーボーイの一人、トーイの危険な美しさに魅了され、様々なアクシデントに巻き込まれていく。一方、日本で永野の帰りを待つ元女優の妻ミツコは浮気をしているが、夫が行方不明になった悲劇のヒロインとして現地に向かうことを余儀なくされる。それもまた、2時間サスペンスの常連で死体ばかりやってきた売れない女優のカムバック作戦の一貫ではあるのだけど。 

ジャーナリストの亡霊、いい加減な通訳、少年たちの運命を握るゲイのインテリアデザイナー・・・。様々な面倒臭い人々や、異国のアウェイ感に阻まれ、お互いに探し続けるのに決して出会えない夫婦の間に永遠のような時間が流れる。
探すことは愛なのか?そして“ゴーゴーボーイ”たちの運命は?


しかし、舞台というのは、そのパワーに飲み込まれていく感じがとても幸せだし

一瞬の陶酔感がある。放送では絶対できない、下世話で猥褻な世界。

男性女性問わず 全裸をいとわない熱演。

客席を包み込むオーラ。

カーテンコールの時の、妙に冷めた表情を観ると、これがプロの舞台なんだなぁと思う。