私が沖縄に通う目的の1つが珊瑚の観察。
6年ほど前、珊瑚の移植体験をしてからと言うもの、単に潜るだけではなくなった。
珊瑚が増えると魚の魚礁になって魚が集まってくるだけではなく モズクの質も良くなり海も確実に綺麗になる。
そこで、なんとか珊瑚を増やせないかと考えた人がいる。
私がダイビングでお世話になっている恩納村漁協の組合長 Y船長だ。
ずいぶん前から珊瑚を増やすべく試行錯誤を繰り返し、今ではかなりの数の養殖珊瑚を海に帰し、
栽培漁業「里海作り」の功績が認められて、今年の「豊かな海作り大会」で表彰された。
かなり前の山田ポイントは何もないガレ場だったが
今はキャベツ大の珊瑚がずらーっと並ぶ海の畑のようだ。
ここまでするのに大変なご苦労があったんだと思う。
私も6年前に「ウスエダミドリイシ」という小指の先ほどの珊瑚の枝を植えた。
といっても船長に全部助けてもらったのだけど。
小さな陶器の箸置きにワイヤでくくりつけ
それをボルトで潮通しの良い岩に固定して百均のザルをかぶせた。
果たして水温やオニヒトデや 外敵はたくさんいる。上手く育つのだろうか、と。
1年目でマリモの大きさになり、2年目でキャベツ大になった。
そして6年目の今年、大きく広がった 私の珊瑚は卵を抱いた母珊瑚になった。
「私の」などというのはおこがましいわけで、単に海に帰すお手伝いをしただけのことなんだけど。
まあ人間はこういうことに拘泥するよね。
願わくば、いつかは産卵の様子を見てみたいと思うのだ。
海は静かで心落ち着く。
私はここから生まれてここに帰って行く、そんな気がする。
しかし、魚を正面から見ると結構楽しい。