はじめての | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。



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にこみの赤提灯に吸い寄せられて、吸い込まれるように店に入ってみたものの、初めての酒場は勝手がわからん。
「一人なんだけど、いいですか?」
の問いかけも、聞こえているのだとは思うのだけど、返答なし。
カウンターの向こうでは姉さんが、あっちに行ったり、こっちに来たりと、行ったり来たり忙しない。
カウンターには空席が見えるのだけど、座っていいものか、わからない。
「あのお、ここいいですか?」
の再びの問いかけは、向こうに座るおっちゃんの、
「おーーい、ビールもういっぱい!」
の声に掻き消された。
姉さんは「はーい」と声上げそっち行く。
もしかして、俺って見えてない?
いや、そんなことはない。
敢えて無視されてるのか?
こりゃあ、一見さんお断りのお店なのかも。
と、あきらめて背を向けかけたら、
「おひとり?そこどうぞ!」
の声がかかった。
とりあえず頼んだレモンサワー、出てくるのは早かったが、そのあとの注文が通らない。
結局、なにも摘ままぬまま、最初の一杯が空いていた。
「すみません、レモンサワー、もう一杯・・・」
の注文は、不思議とすぐに通るんだな。
だけど、それに引き続いて、「あと、煮込みも・・・」が通らない。
「ちょっと待ってね。」
と有耶無耶に。
ようやく、注文を聞いてもらえたのは、レモンサワー三杯目に突入する頃だった。
おかげで、料理は、煮込みと、野菜炒めだけで、事足りた。
それでも、十分に酔っ払い。
思った以上に安上がり。
よかったのか、わるかったのか?
まあいい、も一回来よ・・・
と思うけど、そうそう来ないんだよな元住吉。
「いや、オマイさん、ここは住吉。元住吉は東横線。」