ケチの報酬 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

なぜか急にさくらんぼ漬けが食べたくなった。
さくらんぼ漬けってのは、さくらんぼの柴漬けとも言われているもので、俺はそれを甲府のほうとう居酒屋で食べて以来、すっかりファンになっていた。
しかし、インターネットで調べると、それは甲府の名産ではなくて山形の名産らしい。
なぜ、甲府の店で山形の名産を扱っているのかはわからなかったが、そんなことは今は問題じゃなかった。
俺はあのさくらんぼ漬けが食べたいのだ。
楽天でみると、いくつかの店舗がそれを扱っていた。
袋入りで500円かそこらの値段だった。
しかし、送料無料の店はなく、どこもそれを頼むと送料が1000円近くかかることを示していた。
冷静に考えれば、自ら山形まで出向き、そこでそれを購入し帰ることを考えれば、たった千円でそれを遠く離れた山形から届けてくれるのだから、お安いものなのだが、しかし、目的のブツの値が送料より安いというのが、どうにも「購入する」ボタンをクリックする手を怖気付けた。
だったら、それこそ、10000円分くらい買いこめよ!って話だが、そう一度にたくさん食べられるようなものではないのだ、そのさくらんぼの柴漬けは。
しかし、食べたい。どうすればいいのだ?
次に俺がしたことは山形のアンテナショップ探しだった。
アンテナショップなら、きっとそれを置いているだろうし、山形まで出向くよりは安く済む。
果たしてそれは見つかった。なんでも銀座にあるらしい。
「よし、銀座いくぜ!」
俺はマリイを引き連れると久々の銀座へ向かった。
そして、希望通り、それを購入することができた。
それだけでなく、昨年だか昨昨年の夏話題だったにもかかわらず、人気すぎて購入不可能だった、凍らせても冷やしてもそのままでもおいしい、なんちゃらジェリーなるさくらんぼのお菓子も買うことができた。
買い物を済ますともう12時過ぎで、折角銀座くんだりまで足を運んだのだ、ついでに昼飯という名の呑みもやっていかない手はなかった。幸い銀座には昼から呑らせてくれるうまい居酒屋がある。
しかし、あまりにも久しぶりの銀座、俺はその店がどこにあるのかを忘れてしまっていた。
ビルとビルの間の隙間を入っていくと、ぽっかり現れる、そんな店だったのは鮮明に覚えているのだが、肝心の目印となるそのビルがどこにあるのか思いだせない。
俺の隣では、早くしてよ、お腹すいたよと、喚く女一人。
仕方ねえ、あきらめて、適当な店入るか・・・
と当初の希望をあきらめ、他を探そうと心に決めたそんな時、なんという偶然!同じ名前の店が見つかった。
おそらく系列店、出しているメニューは一緒だろう。
俺は、軒先の暖簾をくぐると、店の扉に手をかけた。

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思った通り、メニューはほぼ同じ。美味しさも変わらず、満足な昼呑みができたわけだが、あとからレトロスペクティブに調べたら、俺が行きたかった店と、今回の店は目と鼻の先だった。
ま、新しい店が知れたから結果オーライだったわけだけど。
しかし、話変わるが、あれだな。。。
銀座までの俺とマリイの往復電車代、それだけでも1000円軽く超えてたね。
なんだろな。
でも、行ってよかった。