衝撃のインパクトその④ | うぢまっちゃのゴルフ日記

うぢまっちゃのゴルフ日記

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『ゴルフ 物理シリーズ』を気まぐれに更新中...
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ごきげんよう  うぢまっちゃです(・ω・)/

本シリーズでは インパクトについて考察しており
前回では 加速的なインパクトがボールスピードにおよぼす影響について考察し
結果ほとんど関係ない(速度がほぼすべて)であるところまででした

今回はフェースの開閉について と 思ったのですが
この説明の前には どうしても今回の内容に触れるべきとおもったので考察することとします

さて 恒例の質問コーナーです

質問.インパクトはヘッドの重心でとらえるべきである

みなさんの答えは?

たぶん YES ですよね...

クラブの重心はおおむね下の図のような感じですし
最近では単純なヘッド体積よりも
『重心距離』を重視する傾向がありますよね

fig19 


ここで
さっそくですが  恒例の『衝撃』 を

きっぱりいいましょう

答えはNo!!!です

( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚

どうです? びっくりしたでしょう??





うぢまっちゃは
会社がブラックで忙しすぎて
おまけに
嫁が鬼すぎて
ついに精神に異常をきたして
頭がおかしくなったんじゃ... とご心配された方...

恐縮です

なんとか生きてます
って それはおいといて 正解は...

『重心ではなく 打撃の中心』

なのです

『打撃の中心』といってもピンとこない方がほとんどと思います

高校の物理では習いませんね
(最近の息子の教科書でもでてこないから間違いないです)

大学の教養で習う内容です

でも
そんなに難しくないので
まずは打撃の中心について説明します

モデルとしては 細長い鉄の棒を考えます
これが 長いひもにぶら下がっていると想像してください

fig20 
なんか 空中ブランコみたいですが
これにボールをぶつけるのを考えてみます

それぞれの位置にあたったとき 棒はどのように動くでしょうか?
fig21 

手元や先では当然回転しますし
重心の位置でも ブランコが振れるように動きます

ところが
ある一点においては一端(C点)が動かないポイントがあるのです

てつの棒をアイアンに C点をネックと置き換えたらどうでしょう

つまりこの点ではネックにかかる衝撃がゼロになります

この点が打撃の中心です

みなさんもナイスショットをしたときに
非常に軽い打感でボールが飛んでゆくのを経験していると思います
この点こそが 俗ににいう スイートスポットなのです

もちろん 条件(後述)によっては同じになることもありますが
基本的には 若干ずれているものなのです

では棒の例をとってみて
どれくらいずれているのか計算してみます
fig22 

ちょっぴり計算はややこしいですが
はじから重心までのをaとすると
重心から1/3aずれた位置が打撃の中心になります
(結構なズレですね...)

上の計算では詳しく述べませんでしたが
ここで重要になるのが
慣性モーメントです

まずは慣性モーメントについて簡単に説明を...
fig23 
慣性モーメントは回転運動に関する『抵抗』みたいなもので
直線的に動くものの『質量』を対をなすものです

『重心』は単に『てこの原理』なので質量×距離 ですが
『慣性モーメント』は質量×距離^2乗 になります

慣性モーメントは形状によって大きく違いますし
実際のクラブのような複雑な形状では 一律の計算はできません
ここで
うぢまっちゃ流の仮定ですが
クラブの重量を質点で考えたときの距離
すなわち等価の慣性モーメントとなるときの距離を
打撃の中心距離として考えてみたらどうだろうというものです

(ああ もう ついてこれなくなってしまったでしょうね...)

とにかくつづけます

 ヘッドの慣性モーメント 重量などのデータをもとに
以下のように計算できます

 fig24 
これを
各クラブで計算したのが下の表
表3の1 

細かすぎて見えないので 拡大 (でかっっ)

これまでわけわかった人も
ここからは見てくださいね...

表3の2 

Aの重心距離はダンロップのホムペの松尾好員氏のデータを借用です
(ありがとうございます)
まず
ドライバーですが
自分が使用しているSRIXSON WR (2008年の古いモデル)ですが
重心距離は40.0mmに対し 打撃の中心距離は44.7mmと長くなります

ちなみに松山英樹選手がちょっとまえまで使用していたZR30も
やはり重心距離より打撃の中心が長くなっています

最近めっきり見かけなくなった深重心モデルのGiEですが
これも同様

おもしろいのは偶然の一致かもしれませんが
その比がいずれも1.12

ちなみに最近のモデル(Z925~XXIO8)は重心と打撃の中心のズレが
少なくなっています
これは カチャカチャメカが付いたりしてモーメントが小さくなっていることに
由来していると思います

おもしろいのはモデルがプロ~一般モデルでもその比はあまり変わらないということ
たぶん 2008年と最近では設計を変えていると推察されます

一方フェアウェイウッドやUT(ハイブリッド)では
重心距離と打撃の中心距離がほぼ一致します

アイアンですが
これは打撃の中心距離が重心距離よりも明らかに長い傾向があります
これは 先の 棒の形状に近いためと思われます

ここでまた仮説なのですが
よくクラブセッテイングでドライバーよりもアイアンの重心距離を少し小さくする
というのが言われます
一方 打撃の中心距離でみると アイアンは長くなる傾向がありますので
これで比較すると 統一できるのではないか

つまり
『打撃の中心距離をセッテイングする』
というのが 正解なのではないかと思っていますが
いかがでしょうが?

まあ自分が探した限りにおいてはどこをみても
こんな内容なことは書いていないので
人によっては
『うぢまっちゃの勝手な仮定で たまたまなんじゃ...』
とおっしゃるかたもいらっしゃるでしょう

いろいろいってきましたが
打撃の中心は実験で確認できます

クラブを吊るして
ボールでフェースをコンコン叩いてください
いい感じで弾くのが打撃の中心です

それをお手持ちのクラブのスペック(重心距離)と
比較してみてください

どうです?
アイアンでは特に 重心距離よりもちょっと先が
良く弾くと思いますが いかがでしょう?
(ウェッジでは特に顕著ですよ)

ほかにもいろいろ考察はできるのですが
長くなったのでこのへんで...

今回はちょっぴりギアマニア的な内容になってしまいましたが
 要はその芯に当たるかどうかってことなんですけどね

そこんところ一番大事なところは
本プログの範疇を超えるので...


今回をまとめると
スイートスポットは必ずしも重心ではなく
アイアンではちょっぴり先にあるってことだけ
わかっていただけたらと思います

次回は本題の
フェースの開閉の影響
(難しく言うと ROC (Ratio of Closure))が
ヘッドスピードに与える影響を
定量化してみたいと思います


ああ
すんげぇ時間になってしまった...

おやすみなさい(@ ̄ρ ̄@)zzzz