浜松のザザシティにて、浜田省吾の映画『A PLACE IN THE SUN at  渚園』を夜勤明けに観てきました。予約した時は空いてたけど、いざ行ってみたら平日の朝なのに結構入っていました。

浜省人気もさながら、舞台は渚園で浜松の映画館ですから、35年前に実際にあそこ(渚園)にいた人もきっとこの中にいるのだろうな、と思いながら鑑賞してました。

(ちなみに映画エンディングに流れる「君が人生の時」は渚園では演奏されてません)

かくいう僕も、35年前の1988年8月20日、あの場にいてコンサートを観ていた5万5千人のうちの一人です。浜田省吾のライブを観るのは僕にとって二回目(JBOYツアー以来の)でした。

渚園のライブの何曲かは、浜田省吾の最初の映像作品「ON THE ROAD “FILMS”」にて発表されてます。テレビに一切出てなかった浜田省吾の動く姿を観れるとあって、このビデオは本当に何回も繰り返し観たものでした。特に渚園の演奏は興奮したものです。

「ON THE ROAD “FILMS”」に収録されたライブ映像は余さず映画でも観れました。でも、さんざん観たはずの映像も、映画館のスクリーンで大音量で観ると迫力が違う。音も良かったです。省吾も町支も古村もみんな若いこと。

 

当時16ミリフィルムで撮影されたという映像を丁寧に修復して、4Kデジタルにフィルムを一コマずつ撮影し直すという、気が遠くなるような作業をしたとのことです、が、それでも夜の映像は画素数の粗さがやや気にはなったかな。でも、これは元のフィルムの当時の限界なのでしょうね。昼のライブ映像が少ない、とのネット意見を読みましたが、そこは僕も同感。


あの曲を入れて欲しかった、ってのは言えばきりが無い。どの曲もフルコーラスで流れますから、2時間の映画に入る曲は限られてます。それでもせめて上映時間を15分伸ばしてあと3曲、と思っちゃう。あと3曲だったら何を入れる?僕の希望だったら、日中の演奏から「バックシート・ラブ」、からの「ラストショー」、そして夕方の「二人の夏」は映画で観てみたかった。


個人的には「ラストショー」が一番スクリーンで観たかった。レコード通りのオリジナルアレンジの「ラストショー」を生で聴けたのって、僕はこの渚園の時が最初で最後です。


渚園の直前の省吾の全国ツアー、アンコールが「ラストショー」だったんですよね。そのツアーはチケット取れなかったので羨ましかった。渚園で聴けた時の嬉しさはひとしおでした。

子供の頃、学校帰りにラストショーを自転車に乗りながらよく歌ってました。最後の《もう何も見えないよ/もう何も聞こえないよ》のところを歌うたびにウルウルしてたっけ。

ここ数年のライブアレンジはピアノで始まるイントロが格好良くて、きっと省吾はオリジナルアレンジよりもこっちを気に入ってるんでしょう。でも、「ラストショー」のイントロはエレキギターのあのフレーズがないと物足りない。あのギターが鳴った瞬間《来たっ!》って思う。聴けた時の嬉しさが違いますね。



他に昼の演奏ですと、ゲストの中村あゆみのことを言ってる人はいます。


《ガールフレンドと呼ぶには、ちょっと歳の離れてる(笑)、、、ミス・ロックンローラー!中村あゆみ!》


という省吾の紹介で登場したのを覚えてます。二人で歌ったのは「街角の天使」と「HOT SUMMER NIGHT」、それと「what's the matter baby」だったか。演奏の出来はマァ即席にしては、って当時の印象。でもひょっとしたら、映像作品として今観たら、ひょっとして記憶してる演奏よりも良かったかも知れません。


今回の映画で一番僕が確認したかったのは、「僕と彼女と週末に」で登場した巨大オブジェです。実際に観た時はそれなりにガーンときました。歌では何を問題にしているかの対象をハッキリと言及していないけど、あの演出見ちゃうと、ああやはりそういうことなのか、と思っちゃいますね。今の省吾だったらあの演出はやらないかも知れません。


「OCEAN BEAUTY」から「マイ・ホームタウン」そして「僕と彼女と週末に」はこの夜のハイライトだったと思います。特に「マイ・ホームタウン」の鬼気迫る演奏は、今の目で観てもすこぶるカッコ良い。


叶うなら「BLOOD LINE」もスクリーンで観たかったですね。渚園で実際に聴いた時は、うーんライブだとこんなものかと思ったけど、後に出たBlu-ray『僕と彼女と週末に』に収録されたのを観て、その格好良さに仰け反ったので。個人的には「J-BOY」よりも「BLOOD LINE」の方が映画映えしたんじゃないかって気がします。(浜省の人気曲「J-BOY」に関しては渚園のテイクは決して最上の出来じゃないと思う。最近のライブのアレンジ、演奏の方が遥かに格好良いです)



とても楽しい映画の時間でした。会場を埋め尽くした観客の映像を観て、あの中の豆粒の中の一人として、自分はあそこに居たんだ、とシミジミしました。弁天島の駅からテクテクと人並みを歩いたあの夏の日が、帰りの臨時電車を延々と待っていた情景が、脳裏にまざまざと蘇ってきました。


(追記。蘇った記憶の一つ。渚園では当日30曲演奏してましたけど、進行が押したせいで2〜3曲ほど演奏出来なかったらしい、と聞いて、後日友人と、何がカットされたんだろうねーと想像逞しく盛り上がったのでした)



映画の若い頃の溌剌とした省吾は文句なしに格好良い。けど、これはもう過ぎ去ったこと、昔の記録だよな、と映画観ていて思いました。省吾はまだ《あの頃は良かった》の枠に入れちゃいけない、と思う。省吾は今現在の格好良い姿を見たいし、今の省吾が作る格好良い歌を聴かせて欲しいです。




映画話ついでに最近観たものを書けば、GWに『シン・仮面ライダー』観て来たのでした。こちらもとても面白かった。最新技術を駆使して撮られた《仮面ライダーという偉大なるB級特撮》へのオマージュ。オリジナルのいろいろな楽しさを忠実に抽出した力作でした。

ある意味、緑川ルリ子が主役、と言って良さそうな映画です。台詞の言い回しが昭和ドラマのあの感じで、これは意図してそうしてるんでしょうけど、実際に演技する役者さんはあの口調でリアリティを出すの大変だろうなと思いました。

映画のおまけでもらったライダーカードが嬉しい。

ついでに書けば、3月には『BLUE GIANT』も劇場で観てました。これこそ映画館で、絶対に大きな音で観たかった映画です。
この映画に行った時、僕は前日より疲れ目の頭痛がひどくて苦しんでたのですけど、楽しみにしてたので連れ合いと二人で強行しましたら、上映中は夢中で体調不良のこと全く忘れてました。終いには二人して嗚咽しながら映画館を出てきた。漫画の原作の方は僕、第三期のアメリカ編の出だしで止まってるんですけど、最近なんと大は雪成と再会したらしい。これはまたチェックしてみなければ。


今度の日曜は磐田の風の家へお邪魔します。




今月5月27日、フリーダムフォーク集会は第四土曜日に開催します。

第184回フリーダムフォーク集会
【日時】2023年5月27日(土)
    19時半開演
【場所】ライブカフェ mamselle
袋井市堀越1802-1 TEL 0538-42-6440
http://mamselle.sakura.ne.jp/
【料金】music charge 500円
【出演】
一次会(本編)演奏時間一組20分(転換時間抜き)

・橋本薫
・Betterdays
・HASSY
・砂風金

二次会(飛び入りコーナー)演奏時間一組10分

一次会と二次会の間に換気休憩を挟みます。歌っていない時は皆さんマスク着用で。演者も観る人もどうぞお気軽にお運びくださいませ。

出演承諾嬉しいですお久しぶりの薫さん。平出さんご夫婦で初参加のBetterdays。ソロではお久しぶりHASSY。そしていつもありがとうございます砂風金。皆さんの演奏が楽しみです。

そして前回より復活した二次会にも、出演希望のお声をすでに6組ほど頂いてます。ありがたいです。こちらもどうぞ皆さんフラッとお気軽に遊びに来てくださいね。