佐野元春の2023年のツアーが終了したので、限定公開にしていた日記のブロックを外します。2023年7月8日の静岡市民文化会館でのコンサートを観て書いた感想です。


降ったり止んだりのおかしな天気の中、7月8日(土)静岡市民文化会館に久しぶりに出かけてきました。
開場時間17時より余裕を持って到着すると、すでに人が集まってました。ツアーTシャツを着た人もチラホラ。
前回のツアー“Where Are You Now”Tシャツだったり、“愛が分母”Tシャツだったり、40周年記念ライブTシャツだったりと、いろいろなTシャツとすれ違いました。着てるTシャツでその方が行かれたコンサートが伺えて面白いです。

ソールドアウト、素晴らしい。そうでなくては。
入場の列の動きがすごく早かった。僕は結構ゆっくり並んだけど、結構長い列もサクサク流れて、すぐ会館に入れました。

音楽友人のだあこえさんと館内で遭遇(席番号をメッセージで照らし合わせた)。開演待ちの時間に少しだけお喋り。僕が16列で、だあこえさんが13列。いいなーと言うと、でも端っこだぜ、と仰られた。


だあこえ《名古屋(公演)行ったんでしょ?、、ねぇ、今回ってずっと立ちっぱなしな感じ?》

僕《(名古屋では)一階席の人はずっと立ってましたねー。僕がいた三階席や二階席の人はアンコールまで座ってたので、体力的にすげー楽チンでした》

だあこえ《立ちっぱなしかぁ。最近キツいんだよなァー》



そんな会話をして一旦散開。開演時間の五分前に場内アナウンス(音が小さめで聞き取りにくい)。音楽のボリュームが上がり、暗転(歓声)。

アルバム『今、何処』の一曲目「opening」が静謐に流れ、メンバー入場(歓声)。そしてお待ちかね佐野元春登場(大歓声、ここで一気に総立ちに)。

キーボードに座った元春が軽く手を上げると、小松シゲルのドラムフィルが響き、バンドの音が一気になだれ込む。一曲目「さよならメランコリア」。元春が慎重に言葉を声にしていくのを、総立ちの客は頭を揺らして聴き入ります。深沼元昭の地平線を思わせるようなギターは唸りを上げてました。

静岡市民文化会館の音響は、すごく良かったと思う。名古屋芸術劇場もかなり良い音で聴けましたが、中ホールという小さめの会場で鳴らされるコヨーテの音は、でっかいホールの響きとまた違い、それぞれの楽器の音がバランス良く鳴って、ウワー良いなぁー堪らんねーってご機嫌なサウンドでした。

そして、シンセのループ音が高らかに響き、ビートが爆上がり!もちろん二曲目は「銀の月」。客の手が頭上に花咲き、一階席は爆発したかの手拍子の嵐。ここで盛り上がらないわけがないでしょって見事な流れです。


MC《久しぶりの静岡(拍手)。僕はこの前、少し体調を崩しましたが、、しっかり休んだおかげで、すっかり元気になりました(歓声拍手)。みんなに心配をかけましたが、(みんなの応援が)心強かったです。どうもありがとう!(拍手)。新しいアルバム『今、何処』から、今日はたくさん演奏します。楽しんでってください!》


三曲目「クロエ」。素敵な歌。そして、美しいメロディがゆえ、歌うのがとても難しい歌だと聴くほどに思います。名古屋では歌に合わせて歌詞をスクリーンに投射してましたが、この静岡では歌詞表示はなくなってました。元春が歌詞を一箇所間違えたのはご愛嬌。

四曲目「植民地の夜」。僕はこの歌、最近のお気に入りです。繰り返し聴くほどになんて力強い歌かと思う。演奏に合わせて歌詞がステージに投射されて、客席は目でも言葉のメッセージを受け止めて、歌の本質がビシビシ届いてたように思えました。元春の喉がこの歌くらいから温まってきたかのようで、序盤もサビも終盤も声がバッチリ出てました。


MC《ありがとう。ようやく、、通常のコンサートです(拍手)。さっき聞いてみたら、、ここ静岡市民文化会館で演奏するのは、およそ30年ぶり?《驚声》、ひょっとして前回(30年前)ここに来た人も今日いるかも知れない。いる?(手があちこちで上がる)》

30年前というと、ザ・サークルツアーか。ハートランド時代、懐かしい!


五曲目「斜陽」。夕焼けの映像をバックに、投射された歌詞を見ながらの鑑賞。《ああ少しずつ、過激になってゆく》言葉がマァ刺さること。

六曲目「冬の雑踏」。元春が《誰かがきっと、君のために祈ってる、今日も、この街の何処かで》と歌い、手を客席に向けて伸ばした時、客席からなんとも言えない柔らかな歓声が上がりました。


MC《昨年はいろいろありました。全国ツアーをやって、桑田(佳祐)くんと同級生で曲を作って、テレビも出た(歓声)。そして何より、コヨーテバンドで二枚のアルバムを作った(拍手歓声)。コヨーテとこれまでアルバムは五枚作ったけど、どれも良い出来なので、みんな良かったら聴いてみてください(拍手)》


七曲目「ENTERTAINMENT!」。ここでも客席の頭上に手拍子の花が満開に咲いた!この歌はライブで聴いて本当に楽しいですね。無条件でノリますし、一緒に思わず歌っちゃう。最初に聴いた時から格好いいと思ったけど、今はさらに好きになってます。

八曲目「新世界」が、これまた良かった。アルバム『ENTERTAINMENT!』からのナンバー。この歌も名古屋では使っていた歌詞のスクリーン投射はなく、照明の色だけが背景で美しく変わる演出のみ。そのせいかわからないけど、すごく楽曲の良さが演奏からダイレクトに伝わってきました。ツアーを重ねてきたコヨーテバンドは、錯覚じゃなく、絶対に演奏が良くなってると思う。


MC《パンデミックに、戦争と、、いま世間には重苦しいニュースがたくさん溢れてる、、次の歌は、歌詞を知ってる人は一緒に歌ってほしい。世界中の人に、子供たちに聴いてほしい、そう思います》


九曲目「愛が分母」。この歌を演ると本当に会場が楽しい空気に包まれます。ライブで聴くほどに、この歌の楽しさ、歌としての強さに驚かされます。だって、最初に聴いた時は、愛が分母?なに言ってんの?って思ったのに、全く自分の不明でした。間奏はトランペットの替わりに渡辺シュンスケのキーボードが素敵にソロを決めてくれました。

高桑圭のベースが重たいリフを奏でて、十曲目「ポーラスタァ」。みんなこの歌好きですね。サビの歌詞に合わせて客は手を頭上にかざし、星をまたたかせてました。この振りは、ひょっとしてもうファンにお馴染みなのかしら。これは盛り上がって良いです。

小松シゲルが4つ打ちのビートを刻み(元春はドラム前に腰掛けて、目を閉じて足を組み、胸を叩く)それに合わせて客は手拍子を打ち鳴らし、渡辺シュンスケのキーボードがあのイントロを叩きつければ、元春はゆっくり立ち上がってマイクに向かいます。十一曲目「La Vita a Bella」。手拍子、手拍子、手拍子。最高に盛り上がりました。


MC《みんな、いい感じ?(拍手)、、、久しぶりの静岡、みんな今夜来てくれて嬉しい(拍手)、、今夜はみんなと〇〇したい(拍手?)。曲は、(巻き舌で)「純恋」!》


十二曲目「純恋」。出し惜しみなしに人気曲をどんどん投入してきて、もちろん手拍子、手拍子の大盛り上がりです。元春がとにかく元気です。客の方が負けてくたびれちゃいそう。



地元静岡、ここまで書いて、感想が長くなり過ぎました。続きは次に分けて書きます。





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