昨日の続きです。不動産投資をするなとはいいません。焦りは当然禁物ですが、てかこれから始めるつもりの人がもしいらっしゃるとしたら、よっぽどいいもの以外絶対に持たない方がいいと思います。


まあ、どうしても買いたいんだーっていう人がいたとします。
その人に物件の探し方をいうとしたら、と仮定します。


今は低金利、デフレといえども、リーマンショック直後と比較してちょっとづつ物件が高くなってきてます。理由はいろいろと考えられますが、その理由の一つに、不動産業者の所有があります。俗に言う“コロがし”ですね。


これがまた不動産の面白いところなんですが、高くなっている理由を理解すると、物件調達のある視点が見えてくるのです。 不動産業者が所有する物件も売却しないと、いずれ持ち切れなくなります。


つまり、そういった物件を狙うという方法が見えてくるのです。


一般的に物件が一番活発に動くのは9月と3月。特に銀行決算期に向けて2、3月が動きます。


例えば、ある不動産業者に昨年4月から所有する売れ残り物件があります。
価格も段階的に下げていますが、まだ売れない。


不動産業者はプロジェクトローンと言う、1年ぐらいの期間の融資で物件を調達している場合があります。
当然、期間内に売れない物件はローンを延長しなくてはならない。
ある程度の金利(年利5~15%など)であるプロジェクトローンの物件は、不動産業者も早く売却したいのです。


そのタイミングを狙うのが物件調達のテクニックの一つ。
これから絶好のタイミングがおとずれるかもと言えますね(笑)。


このような物件に関しては投資家側が交渉優位になります。その物件を売らないと資金調達ができない不動産業者などは、購入金額で売却する可能性もある。


また、すでにいくつか不動産を所有されており、数年たっていて損益が黒字になって税金支払が出てきた時期に、狙うのは機械式駐車場や借地権付収益物件です。


借地権は第三者に土地の所有権があるため資金調達も難しく、将来の売却も簡単ではない事から、敬遠される場合が多いんですけど、これはキャッシュフローを稼ぐという点では、とても魅力的な投資になりえます。


なぜかというと、土地は償却できませんが、借地権ならば物件価格イコール建物価格なので減価償却費が大きく取れるからです。
投資したキャッシュが全部回収できる計算です。(損を無駄にしなければ。)



冒頭に書いた通り、不動産投資に焦りは禁物です。
でも、将来的に不動産投資を考えている人ならば、低金利のうちに購入しないと、いずれ金利が上昇したら買うことすらできなくなる可能性があることも理解してください。


金利が上がるということはインフレに傾くわけですから、資産インフレもおこるはずです。
理論的にキャッシュフローが出て、その物件単体で収支が成立している物件を購入し、元本返済もすすめば、楽になるわけです。


 また、物件調達で注意しなければいけないのが、資産が残るからと言って、自分の給料で返済を補填しているような物件を持ってしまうことです。生活費は別で稼がないとダメということです。ここ重要なんで強調しておきます。


不動産投資のキャッシュフローは、税引き後で考えることが大切。
みなさん、グロス利回りやネット利回りを見ていますが、そうじゃない。
税引き後のキャッシュフローでみることが基本です。


早く借金を返したいと返済を早める人もいますが、それでも私は物件単体で収支が回れば、ローン返済を給料で補填することはおすすめしません。まあ、事業用ローンで無茶な金利で借りている場合は早く返した方がいいのですが、それなりにいい金利(2~3%程度)であれば金利が低い間は、貯蓄してキャッシュを運用して下さい。


期間を稼いでキャッシュを貯めて運用していったほうがこの場合は賢いです。
但し、長期金利水準の動向や日銀の動き、海外の資金流入による不動産購入等には相当神経払って注目していく必要があると思います。


だから、物件調達は30年ローンが可能な物件が賢いですよね。
さらに銀行はその人個人全体のキャッシュフローで見てくる場合がありますから注意が必要でしょう。


 物件調達の究極は、不動産業者が転売する案件ではなく、不良債権案件や相続案件などで地主からダイレクトに買うことです。後は素人の方にはおすすめ出来ませんが、競売物件 を狙うのもひとつかとは思います。


しかし、その情報を得るのは、現実的にはなかなか難しいですが。


もし不動産業者さんと仲良くなって情報が出てきましたら、まずマーケット状況を見て(需要と供給のバランス)、尚且つ、銀行が資金を出すか、つまり銀行の評価が出るかを見る。
すると「高いときは買うべきではない」という判断もあれば、「投資として十分回るから購入する」という判断もあります。


ただし、理論をちゃんと理解し、理論が成り立っている物件を買わないと失敗します。


一例をあげると、場所を限定してしまうような投資家はダメですね。
「東京の一等地じゃないと買わない」などはその典型例。
キャッシュで購入する場合や自己資金が多い方はいいですけど。


後は地方の地主さん、「思いれのある土地を守りたい。」この価値観自体は全く否定しえません。
先ほどの事例で投資家がなんとなく東京がいい、なんていうのと比べるべくもない切実な願いと思います。


ただ、不動産コンサルの立場からすれば、少子高齢化の日本でその土地に今後どれだけの賃貸需要が見込まれますか?発展が見込まれますか?というのはシビアに見ていくべきだと思います。


物件の場所をよく考えて、千葉や埼玉、神奈川であっても満室のマンションは実際あるわけですから。
かといってそこが今後30年間満室なのかはわからない。


それは一つのリスクと考え、そこがなぜ満室なのかを考える。
もちろん、他府県でもそういった理論的にキャッシュフローの出る物件があります。


つまり、自分がどこまでリスクを取れるかです。


リスクコントロールする力、最後は自分でけつふく覚悟(破産したってかまわない、夢や目標等)があれば、1からの不動産投資は、まあ、やっても・・・いいかもね?って感じです。


以上は、“事業としての不動産投資”とも関係があります。


要は昨日も書きましたが、ただめしはないんです。事業なんだから、借入金返すまではしっかり所有不動産を運用していくことを考えないと失敗します。例え、税引き後の手残りキャッシュフローが増えていったとしても、物件の修繕等の運営管理費用として貯めたり、銀行返済にすべて回したり、それで生活費を捻出することを考えてはいけないと思います。


不動産投資によるリタイアは絶対にお薦めいたしません。


一代目で財産を築いた方はそれでも、自己責任で苦労もされ人間的にも魅力的な方が多く問題になることはそうないかと思います。


但し、不動産は相続されて二代目に継がれていきます。一代で終わりではないんですね。


独身の方で独り身で死ぬのでいいならば問題ないですが、元々その家に資産があることが、必ずしも幸せに繋がるのかということには疑念を抱かざるをえません。


相続トラブル、二代目の方が全く働かず不動産運営に失敗して破産、頼んだコンサルタントに騙されて、銀行に勧められるがまま、税理士にいわれるがまま、不動産事業の運営に失敗してダメになってしまうケースなんてざらにあります。


ただめしはないんだー。働けーってことですよ、他人の責任にしかできない人は不幸になるしかないんです。持ってるからなんでもできるってなっちゃうと不幸になるしかないんですね。また、不動産もっちゃうと税金か借入金のどっちかに絶対に苦しめられてしまうんですね、それはもう仕組み的にしかたがないのです。


国の政策が変わったり、インフレに傾いたり、ある意味「不動」産をもつことでこの国にしばられるという覚悟は必要でしょう。


長くなりましたが、不動産収入は、「不労所得」ではありませんので、悪しからず。