Q&A226 精子の加齢による影響が心配です | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2014.1.13「☆男性の加齢→大きな胎盤→妊娠中のトラブル増加」について
長い不妊治療の末、妊娠し安定期に入りました。毎回の検診では、赤ちゃんも異常なく何もいわれないのですが、超音波検査でも胎盤が大きいなど異常があれば分かるのでしょうか。高齢で、どれくらいの確率でこのような問題は出てくるのでしょうか。一番避けたい胎児死亡というのは、母親が防ぐためには、どんな事をしたらいいのでしょうか。精子は卵子と違い、毎回作られると考えていたのでとても不安です。

A 超音波の精度が格段によくなりましたので、かつてに比べとかなり多くの胎児異常が発見されるようになりました。しかし、見つけられない異常も存在します。たとえば、胎盤は扁平で広範囲にありますので、出産後の胎盤の重量を計測して初めて胎盤が大きいかどうかがわかります。実際に、本論文でも父親の年齢が50歳以上の赤ちゃんで、わずか21gの違いしかありません。この論文は、男性の加齢により、大きな胎盤となることを初めて示したものであり、その結果妊娠中の合併症(妊娠高血圧症候群、胎児死亡、低APGARスコア、NICU入院)がどの程度増加するかは不明です。
ご心配でしたら、胎児診断を専門にする「胎児ドック」を受けてみてはいかがでしょうか。