Q&A895 採卵5回、移植0回、もう諦めた方がよいでしょうか | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 34歳、AMH 1.13(2年前)
卵管等他には特に問題はなく、夫も特に問題は見つかっておりません。
1度多精子受精したことから、今まで5回顕微授精を行っています。毎回2~5個採卵でき、未成熟のものも全て成熟し、受精は確認できています。ただ、その後まったく分割せず、一度も移植したことはありません。誘発方法は主にクロミッドです。完全自然とhMG注射は試しましたが、特に変わりませんでした。通院中の病院の先生はそういう体質かもしれないとおっしゃっています。それでは私はあと何をすればよいのでしょうか。もう諦めた方がよいでしょうか。

A このような場合には、私なら、ビタミンD、テストステロン、DHEAS、抗セントロメア抗体の採血を行います。前3者に不足があれば補充することで改善が期待できます。抗セントロメア抗体が陽性の場合には、プレドニン10~15mgを併用しながら刺激すると奏功することが多いです。

また、誘発方法については、その方に合った刺激がなされたか確認が必要です。不十分な刺激では刺激周期がダメだということにはなりません。現在のAMHは1.0未満であることが推測されますので、私なら、フェリング300単位+クロミッド1Tを毎日使った刺激を一度トライしてみます。