Q&A1347 アネキシンA5塩基配列遺伝子変異 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q アネキシンA5塩基配列に遺伝子変異があり、妊娠がわかったらアスピリン服用とヘパリン自己注射をすることになっている者です。ヘパリン自己注射は妊娠何週まで続けるのが良いものなのでしょうか。出産まで打ち続けるのでしょうか。もし、途中で止めてしまうことになるなら、注射を止めても胎児の成長に問題がないのかどうか、不安があります。

 

A 私も10年くらい前までアネキシンA5の研究をしていました。アネキシンA5塩基配列に遺伝子変異があると、血液凝固亢進となり血栓の原因となる可能性があります(ただし、賛否両論もあります)。したがって、血液凝固反応を抑えるヘパリン注射が必要になります。しかし、ヘパリンをいつまで使用すべきかについては明らかにされていません。ただし、アネキシンA5は抗リン脂質抗体との関連も認めますので、胎盤が完成する妊娠16週までは使用しているのが安心かと思います。今後の検討が必要な項目です。