ビタミンD補充のガイドライン | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

ビタミンD補充のガイドラインご紹介します。

 

J Steroid Biochem Mol Biol 2018; 175: 125(欧米)doi: 10.1016/j.jsbmb.2017.01.021

要約:骨代謝の観点から血中25(OH)D濃度は20 ng/mL以上、多面的な観点からは血中25(OH)D濃度は30〜50 ng/mLを推奨します。なお、ビタミンD投与量は、年齢、BMI、居住地の緯度、食生活、宗教上の習慣から異なってきます。過剰摂取により高カルシウム血症になることは極めて稀です。

 

解説:様々な疾患とビタミンDの関連が示唆されるようになり、ビタミンDに注目が集まっています。血中25(OH)D濃度は30〜50 ng/mLを維持するためのビタミンDの投与量はそれぞれ異なりますので、微調整が必要です。飲んでいるから大丈夫と思わず、必ず採血により確認を行ってください。なお、ビタミンDは分けずに一度にまとめて摂取した方が吸収が良いです。

 

ビタミンDに関しては、下記の記事を参照してください。

2019.2.7「☆ビタミンDと生殖

2018.11.14「ビタミンDと不育症

2018.10.12「ビタミンDは卵巣予備脳とは無関係

2018.2.25「ビタミンDによる胎盤形成作用の基礎的検討

2018.1.20「ビタミンD濃度と体外受精の成功率の関係:メタアナリシス

2017.10.20「ビタミンD不足と不妊の関係

2017.8.20「健康な女性におけるビタミンDと妊娠の関係

2017.8.18「ビタミンDの効能:妊娠免疫の観点から

2017.3.20「ビタミンD製剤は、不育症治療に有用?

2016.12.8「☆ビタミンDの卵胞発育促進作用

2016.12.5「☆不育症とビタミンDの関係

2016.12.4「☆ビタミンD製剤はいつ服用すればよいか

2016.3.31「妊娠中のビタミンD大量投与

2014.10.26「☆ビタミンD不足だと妊娠率が低下する

2014.4.7「☆ビタミンD不足で着床障害になる?

2014.3.17「☆ビタミンD欠乏は不育症のリスク因子です

2013.2.25「白人ではビタミンD濃度が高いと体外受精の妊娠率がよい

2012.12.10「ビタミンDの効用 妊娠•授乳編

2012.12.8「☆ビタミンDの効用 女性編