グッドモーニング帯広 | AROマンガ手帳

グッドモーニング帯広

ホテルの朝食バイキングも3日連続はさすがにあきてくる。

 

チンタラチンタラゆっくり食べていたら、

隣の席に20代後半のカップル(夫婦かもしれない)が着いた。


女性の方が先に戻ってきて着座したが、ジッと彼氏を待っている。

5~6分後、


豚丼やら海鮮丼やら中華チラシやら、帯広の名物を小ドンブリにキレイによそって彼氏が戻ってきた。


ふたり目を合わせ、


歌い終わりに、ああ~~~うぅ~~~と感謝するショーケンのように両手を合わせて、


「いただきます」


と深々と頭をたれ、食への感謝の言葉を述べた。




(ほおおお!)


そういう感覚、

二人揃うまで食べないとか(オレなら勝手に食い始める)

 

食事前に感謝を表すとか、


何十年も持ち合わせていなかったからちょっと感心した。




そして、彼氏はスマホを取り出し、

 

キレイに盛られた小ドンブリの撮影を始めた。


パシャ

パシャ

パシャ

パシャ


角度を変えて


パシャ

パシャ



(長ぇな!)



彼女はそれを箸を持ったままじっと見ていて・・・

それに彼氏が気付いて、



「あ、いいんだよ食べなさい」



そう言われて、ようやく彼女は食べ始めた。



(まあ!ずいぶんよく調教されたメス犬・・・あ、いや・・・ちゃんと「待て」が出来る賢いワンちゃ・・・違う違う!健気な彼女なのかしら!と感心した)



彼女がパクパク食べ始め、「うわぁ豚丼美味しい!」とか伝えても、


あ、うん、うん、うん

 


と気もそぞろで彼氏はセッセと写真を撮り続け、


4~5分後ぐらいかなぁ、やっとスマホを置いて、


え~と、

 

あ、

 

そうだ!

 

忘れてた!

 

 

ってなスピード感で、



ああ~~~うぅ~~~と感謝するショーケンのように両手を合わせて深々と頭をたれながら

 

 

「いただきます」

 

 

と、また言った。5分ぶり二度目。


プっw!

 

思わず笑いがこぼれた。