続いて千代の国、千代翔馬、千代栄による申し合い稽古が始まりました。


千代の国は幕内経験者、千代翔馬は幕下上位の常連、千代栄は幕下優勝寸前までいった経験があり3人とも実力者です。


立合いのスピードも体と体がぶつかり合う音も、奥の2人のように思わず動きを止めて真顔で見入ってしまうほどの凄まじさ。


土俵上の展開が目まぐるしく、動きが止まった瞬間に写真を撮るのがやっとでした。


千代の勝に何かアドバイスする様子の千代鳳。
千代鳳は土俵から目を離しているように見える時でも実は土俵上の力士達の動きを把握しているようで、千代翔馬や千代栄に悪い癖が出ると即座に注意する時がありました。
夏場所前に稽古を見に行った時も手首のテーピングをいじりながら、ある技を仕掛けようとした千代翔馬に一言発して中止させていました。


腕立て伏せを行う千代皇。
千代皇が土俵外から何か言葉を発する場面を見たことはありませんが、同等または格下の力士に胸を出す際、顔を向かい合わせる度に何かアドバイスをしている場面を見たことがあります。
その稽古の翌日に千代丸が新十両をほぼ確定させる勝ち越しを決めたり、田岡(2015年秋場所で引退)が佐ノ山親方から「田岡が生まれ変わった!昨日何かいいモン食ったんか。」と褒められてその年の稽古を締めくくったりと、とても効果的なアドバイスのようです。


四股を踏み終えた千代青梅も腕立て伏せを行っていました。
30回1セットを何度も。
腕立て伏せも終えると写真のように壁に手をついて左右に上半身をひねり始めました。


千代鳳は千代栄を相手に立合いの稽古を何度も行っていました。
千代栄の背後には千代の勝がタオルを広げて構えており、千代栄が壁に激突しないようにクッションの役割を果たしているようでした。
下がる千代栄を受け止め、代わりに壁に激突する様子はかなり辛そうで、毎回グフッという表情を浮かべていました。


朝稽古も終盤になると力士達の表情が和やかになってきます。
1991年生まれの3人も何やらお話し中。

3人が20歳だった2011年の秋場所は千代嵐が新十両、千代皇と千代翔馬が同時に新幕下という嬉しい場所で、九重部屋が上り調子だった頃でした。
あれから4年、新たに関取も誕生しましたが怪我人が続出し幕内~十両に限っては一時期ほどの勢いはなくなってしまいました。
しかし幕下以下は自己最高位更新者が相次いでおり、現在も活発な状況です。
今年の秋場所では千代翔馬が4年間揉まれてきた幕下で遂に優勝を飾りました。

幕下以下の力士達の追い上げと関取達の意地で、これからの九重部屋の盛り上がりにも期待したいと思います。
だいぶ時間が経過してしまいましたが、朝稽古のご報告は以上です。