先月千秋楽を迎えた九州場所を以って、千代疾風さんが7年間の土俵生活に別れを告げました。

自分が千代疾風さんの引退を知ったのは九州場所が始まってからでした。
部屋の関係者の方も福岡入りする直前に知ったそうで、引退を決意するのに悩みに悩んだものと思われます。
突然のことで動揺しましたが、幸いにも今年の九州場所は最後三日間+打上げ参加の計画を組んでいたので、最後の取組も断髪式もこの目で見ることができました。

断髪式の様子の一部はSNSでも紹介されていましたが、最後の取組の様子は自分が知る範囲では確認できなかったのでまとめてみました。
※動画からの切り出し画像が含まれているので画質が粗いです。

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最後の取組は千秋楽に組まれました。
対戦相手は10歳年下ながら、192cm/149kgと立派な体格の湘南乃海。


土俵上から見る景色もこの日で最後…。


体格差があるため相手から離れて相撲を取ります。
相手の攻撃から素早く身をかわしつつ、叩きを繰り返しながら土俵の中を動き回るというのが千代疾風の相撲によくみられるパターンでした。


素早さでは相手の一歩先をいきます。
一瞬スキができた相手にすかさず襲いかかります。
右下には最後の勇姿を見守る佐ノ山親方の姿が。


お互いに動きをよく見合い攻防を繰り返して場内が盛り上がります。
勝ち名乗りを受けて土俵を後にしたいという気持ちが伝わってくるようでしたが、相手のひと押しにバランスを崩してしまいました。
押し倒しで湘南乃海の勝ち。


結果は残念でありましたが、千代疾風の名にふさわしい動きを存分に見せてくれました。


普段通りに礼をしたあと、もう一度深く礼をしていました。
佐ノ山親方と仲良し(だと思われる)立川親方も気にかけている様子ですね。


約7年間命を削る思いをしながら戦ってきた土俵から降りた直後の表情は非常にすがすがしいものでした。


花道奥で花束を抱えて待っていたのは千代の海。
ちゃんこ番や付け人で忙しく駆けつけられない兄弟子達に代わって大役を果たしました。
呼出しの海人さんも一緒にお迎え。

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九州場所では千代丸の付け人を担当していた千代疾風。
赤い着物を着ていて結構目立っていたこともあり、花道奥で千代丸の背後に立つ姿は毎日のようにテレビ画面からも確認できました。
千秋楽のこの日も淡々と付け人の業務をこなしていました。

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観戦中に大事な用事ができてしまったので千代丸の取組まで見て会場を出ます。
当初は千代鳳の取組まで見てからでも間に合うかと思ったのですが、福岡国際センター~天神までのバスも、天神~打上げ会場のホテル前までのバスも本数が少なく早めに出ざるをえませんでした。

打上げ会場に着いてウロウロしていると、既に大銀杏を結い終えた千代疾風が控え室を出入りしている姿を見かけました。


千代秋豊の時もそうでしたが、この姿を見ると大銀杏姿を見られて嬉しい気持ちとお別れの寂しい気持ちとが入り混じって何だか落ち着きません。

前述の通り引退を知ったのは九州場所中だったのですが、2015年に入ってから引退が近いのかな…と感じる場面は度々ありました。
2015年は春場所14日目、夏場所前のGWと北海道の夏合宿時に稽古見学させていただいたのですが、春場所中とGWは田岡に軽く胸を出すのみで自分の為の稽古は行っていませんでした。
夏合宿ではウォーミングアップのみで稽古場から姿を消してしまい、みっちり四股や腕立て伏せに励むこともありませんでした。
稽古に関しては千代疾風本人も「相撲」で語っていましたね。

今後は地元の長崎県松浦市で過ごす予定とのことですが、「また東京にも遊びにいきますよ。」と話していました。
いつか国技館で再会できるかもしれませんね。

7年間お疲れ様でした!