後編では幕下以下の力士について触れていきたいと思います。
先日、稽古見学もさせて頂いたのでその時の様子も文中に含めています。




千代栄:東幕下44枚目
幕下に昇進してからの期間が千代翔馬のそれを超えました。
しかし幕下10枚目台まで上がるとはね返されてしまう状態で、なかなか十両が見えてきません。
稽古中は千代鳳や千代翔馬が喝を入れ、親方からはアドバイスに加えて「そうすれば十両に上がれるから。」との声。
まだ周囲の期待は高いままのようですので、本人の気持ちが幕下上位の壁に屈しないことを願います。




千代雷山:東三段目19枚目
先場所の七番相撲で幕下最後の取組に登場。
阿炎と6連敗同士での対戦が組まれた所以でのことだったのですが、一段階上とも言える土俵上の雰囲気を経験することになりました。
この雰囲気を連日経験するようになると、向上心が一気に高まりそうですね。
千代の国とほぼ同期で、付け人の他に番付に差はありますが稽古相手にもなっていました。
関取と稽古していることを自信に場所に臨んでほしいものです。




千代の勝:東三段目28枚目
先場所は幕下まであと一歩の地位まで番付を上げ、BS放送で何番か取組が確認できました。
周囲が強敵揃いということもあり成績は2勝5敗でしたが、その2勝には幕下上位経験者から得た白星も含まれていました。
名古屋場所前に足を痛めたという情報が相撲中継で伝えられ、後半では土俵を降りる際に海人さんが心配して肩を貸しに来る場面がありました。
万全な状態で幕下への挑戦ができなかったのが残念に思いましたが、次のチャンスへ向けて状態を整えてほしいです。




千代嵐:東三段目34枚目
先場所の休場理由が気になります。
打上げには出ていましたし、夏合宿にも参加していたようなので新たに大きな怪我を負ったわけではなさそうですね。
先日の稽古ではタオルで千代の国や千代翔馬の汗を拭いたり泥を払う場面も。
5年前の新十両の際、後輩の千代桜に一度番付を抜かれたことが大きな飛躍の原動力になったと語っていましたが、この頃の負けん気が再び出てこないものかと思っているところです。




千代の海:東三段目94枚目
今年の春場所からずっとお休みしていましたが、夏合宿で稽古を再開したようです。
その際、北海道福島町の横綱記念館にて同町出身の先代の千代の海さんの展示も目にしたようで、復活が合宿に間に合って本当に良かったと思います。
先日の稽古では千代栄に勝つ場面もありましたので、幕下復帰での活躍も楽しみなところです。




千代青梅:西序二段13枚目
勝ち越せば三段目復帰です。
ちゃんこ長なので稽古場にいる時間はあまり長くないのですが、黙々と四股と腕立て伏せを続けている成果が出ているのか、番付は20代前半の頃より高い地位で推移しています。
先代の親方も打上げで勝ち越し金を渡す際、ちゃんこ番に重きを置きながらも頑張っていることを評価していました。
ちゃんこ長に加え先代の親方の付け人も担当していて「何でもできる子。」と褒められたことも。
部屋を陰で支える存在だと思いますが、取組でも誰かしらの声援が聞こえてくるので自己最高位更新を目標に表舞台での活躍も応援しています。




門倉:東序二段41枚目
先場所は序二段に昇進してから初めての勝ち越し。
5勝2敗の好成績で自己最高位を大きく更新。
前に出る場面が印象に残り、内容も充実していました。
稽古も元結が途中で何度も切れるほど頑張っており「そうま、いい当たりしてるよ。」と親方にも褒められていました。
土俵での稽古が終わっても親方の前で摺り足を繰り返し、みっちりと指導を受け、親方が丁寧に育てていこうとしている様子が伺えました。

錦城:西序ノ口26枚目
先場所の前相撲では、まだ一度も土俵の中での稽古をしていなかったにも関わらず、がむしゃらに突っ張って勝つ相撲がありました。
とにかく前に出ようという積極性がありそうですね。
先日の稽古では、稽古を終えたあとの礼をきっちりするようにと親方から指導されていました。
勉強の毎日。仲間の力士のマゲを結い直してあげられるようになっていました。

稽古見学をすると、稽古ができていない力士について余計な不安も抱えてしまうことがあってしばらく遠ざかっていたのですが、九重部屋独自の稽古スタイルを発見できて行って良かったと思っています。

九重部屋の皆さんの秋場所の健闘を祈っています!