NHK大河「どうする家康」初回に象徴される過去作の特徴とは…ダメダメプリンス松潤とポンコツ集団が始動!第1回みどころ
嵐の松本潤が江戸幕府の初代将軍・徳川家康を演じるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜・後8時)がいよいよ8日にスタートする。前々作「青天を衝け」(主演・吉沢亮)、前作「鎌倉殿の13人」(主演・小栗旬)に続き、スポーツ報知・NHK担当がキャストら制作陣の思いや、番組の見どころなどを紹介します。
ドラマは、誰もが知る徳川家康の人生を、これまでと違った切り口で追う。日本の歴史でも、中世の奥州藤原氏や安土桃山時代の島津氏など、先端にある国は、敵国との接点も少なく悠々と力を蓄えやすい。だが室町後期の三河国(現愛知県東部)は違う。今川義元(野村萬斎)、武田信玄(阿部寛)、織田信長(岡田准一)ら超大物に囲まれ、明日の運命すら不透明。誰を信用し、誰と手を結び、誰と戦うべきか、常に究極の選択を迫られる。
第1回のサブタイトルは「どうする桶狭間」。有名な戦いの一つ1560年の「桶狭間の戦い」が描かれる。家康(この時点では松平元康)は今川軍の最前線で戦闘。その最中に大将の身に“何か”があった場合、果たしてどう振る舞うのが正解なのか。ヘビーな場面から始まる。
先日インタビューした際、松本は自身を含めた松平軍を「ダメダメなプリンスとポンコツ集団」と評価していた。酒井忠次(大森南朋)、石川数正(松重豊)、大久保忠世(小手伸也)ら歴戦の三河武士も、序盤はおちゃめな田舎武士だ。確かに当時を想像すると、今川が治める大都会・駿府の武者に比べて、属国の岡崎(松平家の拠点)の家臣は農民と変わらない感じだったのかもしれない。立ち止まってよく考えてみると、今作の世界感や設定も「そうだったのかも」という気がしてくる。
注目は視聴率の動向だ。ナビゲーション役に徳川家康(北大路欣也)を使い、お茶の間に分かりやすく近代を説明した「青天―」は高い世帯視聴率を誇った。ハイレベルな会話劇と陰謀の繰り返しで人間の闇をコミカルに描いた「鎌倉殿―」は、見逃し配信記録とどんな裏番組にも動じない安定性を見せつけた。
特色は初回放送に現れる。「青天―」では冒頭から「こんばんは、徳川家康です」。「鎌倉殿―」では、北条時政(坂東彌十郎)が「首ちょんぱ」と現代言葉を投げかけてSNSで話題沸騰。後から考えると、作品全体を象徴するシーンだったと気付かされる。
今作は女性人気の高いアイドル陣に、時代柄もありチャンバラも多くなりそう。過去2作にはなかった条件がどう影響するのかが楽しみだ。