「とうとう8月31日かぁ~」
琴子の呟きに「で、今日はなんの日かって!?」といつも聞かれる事を問えば、琴子は「う、ん」と詰まりながら返事をした。
自分から振ってしまった手前、言わない訳にはいかなくなり「野菜の日だ」と答えると、琴子は「へー、そうなんだ・・・」と言って黙った。
「や・・・さん、いち・・・や、さ、い」
「なるほどーーーー」
いや、そんなに時間かけずに気づくだろ!?
「入江くんって、やっぱり天才よね~」と褒めちぎられると悪い気はしないが、琴美が不思議そうな目で琴子を眺めているのが妙に可笑しい。
「みーちゃん、野菜の日だって。今日はいっぱいおたべしなきゃね」
謎な言い回しをしながら、笑顔で琴美の嫌いな野菜を勧める琴子。
「8月31日に何があるんだ!?」と琴美への助け舟を出せば、琴子は「んー、忘れちゃった」と舌を出す。
琴美も真似をして「べー」と舌を出している。
大嫌いな野菜を食べさせられるからだろう。
しかし、何をしても子供は可愛くて仕方がない。
琴美を抱き上げ「こっそりパパが食べてやるから」と言ったら、琴美は喜んでペチペチと俺の頬を叩いた。
喜びも遠慮がないヤツだ。
「夏ならキュウリやトマトだろ」と俺が琴子に声をかけると、琴子は目を潤ませて「入江くんが自らキュウリを食べる日が来るとは」と喜んだが、常時食べてるからなっ
あまり好きじゃないというだけで、食べれなくはないのに、普段そういうのを口にしない俺は鬼の首を取ったかの様に責められる。
「そういや、琴子は好き嫌い無しだったか!?」
琴子の弱点を思い出そうとしても、何でも美味しそうに食べる姿しか思い浮かばない。
「えー、色々あるよ!? 自分で作ったやつなんか、食べられるの半々だし」
それを俺に出すなっ
そーいや、ソレがあったな!!
どうりで何でも美味しく食べるはずだ。
「琴美の離乳食は俺が作る!!」
こうして、琴美の野菜嫌いは克服された。
・・・俺の前だけで。
要領がいいのは俺似らしいとつくづく俺と琴子の子だと、琴子にそっくりな笑顔を見ながらそう思った。
* * *
ノルマ達成ー 話思いつくまで、言い訳文考えてました
8月31日を検索したら「I LOVE YOUの日」だそうです。
これだーと思ったんですが、最近制定されたのかな!? そこら辺が良く分からず、昔からある野菜の日を使いました。
明日は9月1日で、キウイの日だそうです。
9月に入ったらイタキス期間が始まります。
盛り上がれる様に頑張りますね
後は・・・時間をどう作るかだけだ。