入江くん、誕生日おめでとうございますクラッカー

 

 

「ねえ、入江くんは欲しい物ってある!?」と直球で琴子が聞いてくる。


昔はあれこれ考えては空回りしていた奴だから、聞いてもらえるのは嬉しい。


・・・が、これと言って欲しいという物はない。


結婚して10年以上経ち、子供も3人。


しかも前に大仏に因んで作った息子(笑)も、もう一歳。


もう一人欲しいと言う事は出来るが・・・誕生日に貰うというのは違うだろう。


いや、琴子を貰うのは(いつでも)構わないが。


「特にこれと言っては無いな」


今余計な事を言うと、何となく・・・琴子の変な思考回路から変化球を起こして大仏関連になりそうな予感がする。


「そういえばね、麗華さんのご主人。好物が干し芋なんだって」と急に言われ「ふーん」としか言えない。


「入江くんは野菜でも甘い物好きじゃないもんねぇ」とため息を吐かれるが、誕生日の欲しい物に『野菜』はねえと思うぞ。


「例え俺がネギが好物だとしても、誕生日にネギまみれの食事を取りたいとは思わない」とキッパリ断ると、琴子はバカウケしていた。


「確かに~~~笑い泣き」と思い切り納得したくせに、何故か「ねえ、タコパかお好み焼きパーティーはどう!?」と俺に聞くのは止せ!!


「その日は俺だけの誕生日じゃないだろ」


家族だけで祝うなら『俺の誕生日』で正しいのだが、何故か俺の周りに同じ誕生日な人間が後2人もいる。

(高橋麗華さんと、小西祐二くん)


それが分かってから3家族でお祝いをするという不文律なせいで、俺の誕生日が俺だけの日という気がしない。


いや、昔は誕生日なんて意識すらしなかったしな。


結婚し、子供を持って、我が子に祝われる様になって、今になり楽しみな日になってきたと思う。


その我が子が別な男に目移りしてさえなければ・・・。


「琴美を独占出来る権利」
「えー!? みーちゃん、ズルイ!!」


冗談を言ったら琴子がむくれた。


じゃあ琴子でいいーーーなんて言おうものなら、実行されるから言わないでおく。


「まあ、冗談だよ。物は要らないから、家族でどこか行くか!?」


「や、優しい~。あの入江くんが!?」


お前の中の俺のイメージは一体どうなってんだ??


「正樹も離乳食だし授乳もしなくていいだろ」と言うと、琴子が自分の胸を見つめる。


ああ、にする約束が・・・。


「う、うん。そ、そ、そ、そーね。行先はまーくんに聞いてみるわ」


無理だろ!! 一歳児に行先を聞くなっむかっ


「せめて琴美か琴音に聞いてやれ」とため息をつきながら告げた俺だった。

 

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今はチャット中かな!? 参加中の皆さま、お疲れ様です。

次回は二人の結婚記念日のカウントダウンですね~

今年は真珠婚だそうですよー。

 

追記

本日、結婚記念日カウントダウンチャットが開催されます。

22時頃からコチラでお待ちしてます。