「嘘のような本当の話」 | あ、ヒキガタリビトの部屋


「嘘のような本当の話」


嘘のような本当の話。


自分でも想像していなかった出来事は

残酷にも起こり得る。


珍しく地方でのライブでした


あ、ヒキガタリビト名義でのライブ。


持って行ったギターは

元々1200013000円のギターでした。


正直、それがいい音かどうか?

ってのは

あ、ヒキガタリビト名義での活動の中にこだわりは無い。


地方のライブは終了時間も意外と早く

これなら家に帰れると判断したので

当日は安ホテルに泊まるつもりだったが実家に帰る事にした。


かなり遅い時間になってしまったが

家に帰ると

ある筈の家が無い。


???である。


状況が理解出来なかった


深夜ではあるが

慌てて叔父の家に行き

何があったのか聞きに行く。


叔父が言うには


俺がお前に言うよりは

お前が直接父親に聞け。


らしい。


今、父親がいる場所を教えてもらい

その場所に行く。


そこは

部屋が2つ程のアパートだった。


慌てて何故、家がないのか、

その理由を聞くと


どうやら父は子供に内緒で

多額の借金をしていたらしく

どうしようもない状態になってしまったので

家を手放したらしい

家の中の物も全部売ったと。


その瞬間、

僕は生まれて初めて父親に対して暴言を吐いた。

「知らないフリ」をしていた事もブチまけた。


テメェ、ふざけんな!

テメェが下らねぇ女遊びばかりしてるからだろ?

そんなんだから母親に逃げられるんだ!

何でこうなる前に一言相談しなかった?

テメェの都合で俺の宝物まで奪いやがって!

このクソ親父がぁぁぁ!


親として

子供に心配をかけたくなかったから黙っていたのかもしれないけど

自分の精神にそんな余裕はなかった。

親の都合で自分のギターを何の躊躇いもなく売り飛ばした親に腹が立った。


今までの親に対する不満を全てぶちまけた後、

もう一つの部屋のドアと開けると

何とも言えない感情があった。


自分のギターだけが売られずに

全て残っていた。


高価な物から安物まで、

25本のギター全てがその部屋にあった。


家の物を全て売ったと言いながら

僕の宝物であるギターだけは残してくれていたのだ。


親に対する暴言含め

自分が情けなくなった


子供のように泣きながら親に謝ると


お前から音楽を奪いたくない


と言ってくれた。


て所で目が覚めた。


そう。

コレは夢の話。


部屋を見ると当たり前のようにギターはある。

当たり前でないのは

夢では当たり前のように出てきた父親は9年前に既に天国に行っていた事ぐらいだ。

夢の中では

不思議とそんな事にも気がつかない


夢だった事の安心感と

夢の中の自分の情けなさに

自然と涙が出てきた。


気分転換に部屋の掃除をして

色んな物を整理していると

ずいぶん前に父から貰ったキーホルダーが出て来た。


お前は音楽をやれよ。


と言われた気がしたよ。


音楽

もう少しと言わず

一生頑張るよ。


ありがとう。



「嘘のような本当の話」でした。


ロックンロール!