手のひらを空にかざす
そこには森をギンギンに照らしつける太陽
太陽の光は手を伸ばすと掴めるぐらい近くに感じた
僕を探してるんだね
僕は森に遊びに来ていた
僕の足取りは速くなり 僕の心は躍りだす
どこからかそよ吹く風は心地よく
僕の周りをぐるぐる回り耳元で囁きあっている
「よう、楽しそうだね」
サッーと吹き抜ける風が僕に話しかけてきて
僕はそこで立ち止まり耳を済ませ、目を閉じた
太陽は僕を照らしてるんだけど
僕の周りはまだ冷たい風が
うたを唄いながら踊っている
聞こえてくる唄と踊りは
春を告げる森の芽吹きを喜んで
森全体がその新しい生命の誕生を祝福しているようだった
絶え間なく吹く風とともに
緑いっぱいに広がっている木々の葉っぱも
気持ちよさそうにさえずっている
僕は目を開けて両手を広げてみる
あちこちから唄が聞こえてきた
それは春を告げる唄だった