パパッとパラレル☆
複数形で猛獣呼ばわりなあいつらが誰ぞかはともかく。さて、要らないおまけ的番外編なこのお話は誰目線かな?っと。
 
 
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窓の外には黄昏始める直前を感じさせる薄く紫がかった空。
放課後の多目的室で私と向き合う友人は…………なんとも言葉に出来ない微妙に暗く、そして、酷く真剣な表情で考え込んでいる。
まぁ、今の私顔だってきっと同じようものだろう。
この重ったるい空気の元凶であるつい先程この部屋を出て行ったひと学年下の双子を思い出し、私もどうしようもない燻った気持ちと一緒に肺から吐き出すみたいに小さなため息を落とした。
 
 
 
 
ことの始まりはその双子が転校してきた事だった。
アメリカ帰りな帰国子女の双子ってだけでももの珍しいのに、そこらの芸能人顔負けなまでのやたらと整ったそのルックスに学園は大騒ぎの真っ只中。そんな双子の間にちょこんと挟まれるみたいに、クラスメイトなあの子はいた。
またやっかいそうなのに懐かれて……
そもそも、私たちの友達なキョーコは、だ。一見どこにでもいそうな感じでいて、将来はロックスターなんて豪語する幼なじみやら卒業していったチャラそうな先輩やら果てはストーカー事件一歩前な他校の胡散臭いのやら……何故かアクの強いのに好かれやすい。
肝心の本人には自覚は皆無みたいなんだけど。
そんなキョーコによ?あの胡散臭いみたいな笑顔でもってキョーコへの独占欲滲ませてるあの双子が、だ。
弟みたいな幼なじみだとかわんこみたいだとか言われても、そのまま素直に信じられないじゃないっ!!
案の定、なんだか悩んでるみたいだったり塞ぎ込んだりしていたキョーコ。
数日間、風邪で学校を休んでからだ……どうも様子がおかしい。
キョーコはキョーコでひとり百面相したかと思えばソワソワとさも秘密がありますって言わんがばかりな怪しさ満載っぷり。それでいて、双子はといえば前と変わらないようでいて、でもあの子への独占欲を滲ませてるしで。
絶対に双子となにかあったって確信して、千織と一緒に吐かないと友だちやめるって脅して白状させてみれば……付き合いはじめた、それも双子のふたりともと。
どちらかひとりを選べなかった罪悪感でもあるのか、幼少期からの刷り込みだとか言って双子が心変わりでもしようものなら大人しく身を引く壮絶な覚悟でも決めてるとばかりに、きゅって唇噛んでたりしたけど……
聞き出したこっちからすれば、よ。
どちらか選べないならふたりともなんて、あんたあの双子にまんまと良いように言いくるめられてんじゃない?
お互いに数少ない友だちとして、心配になるのも仕方がないと思うのよ!
 
 
 
 
だから、今日の放課後もいつも通りにキョーコのお迎えに教室へ双子がやって来た時、千織と顔を見合わせ頷き合った。
日頃のお人好しっぷりから文化祭の実行委員を押し付けられたキョーコ。
放課後に委員会の集まりがあっていないと言っても、きっとこの双子の事だ。
キョーコを置いて先に帰るなんてしないで何処かでキョーコを待つつもりだろう。それこそ飼い主を待つわんこみたいに。
だから、ひっそりと双子をこの多目的室へ呼び出した。
この多目的室はあの下手に目を付けられたくないお騒がせな理事長の理事長室が近いだけあって放課後には人気がない、まさに打ってつけで。
キョーコの友だちとして!あの子のこと泣かす事になったりしないか、千織とふたりして双子から聞き出して確かめてやろうとした…………
その結果が、どんよりと重たいこの空気。
 
 
 
 
 
あーー、もうっ!!
あの猛獣どものどこがかわいいわんこなのよっ!
 
 
 
 
 
 
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モー子さん視点でしたとさ。
そんで、このモー子さん。毒ノートスキル持ちな千織ちゃんはもちろんキョコちゃんに集まるアクの強いの扱いですが、自分はキョコちゃんにホイホイされるアクの強いのの一員な自覚はなかったりしやす。 笑
 
 
はてさて、キョコちゃんの親友たちによるわんこな外面を外して本性晒してみせちゃったらしきおとなりさんたちの事情聴取の中身や如何に?
 _(:3 」∠)_
 

 
次回→親友VS猛獣
年の瀬で何かと忙しいけれど、なんとか頑張ってぽちぽちしたひと思ってはおりやす……どうぞ気長にお付き合いくださいませ。
 
 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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