おはようございまっす!

ほんのりこだわり5時あっぷ(予約投稿)にございます。

(*⁰▿⁰*) 

 

 

辺境の地な我が家の5周年なお遊び企画っぽいもの『5周年は5歳児でGO☆』なさんにんめにてございますよー。

はてさて、さんにんめは誰なのやら?

 

 

 

 

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目は口ほどにものを言う。
 
 
 
さて、ここで業界最大手事務所所属なタレント兼女優であるラブミー部員の紅茶色の大きな目が物語るものはと言えば……
 
あぁん!もう、かわいいなぁ❤︎
 
な、感じのくっきりはっきりありありとデレデレなまでの「溺愛」であった。
頬を愛らしく赤く染め、キラッキラに輝かせた彼女の瞳は右隣斜め下方へと注がれている。ちらりとした余所見の気配のかけらもなく熱烈に。ただただ一方的に。
そして、そんなキョーコをじっと見つめる視線がもうひとつ。
 
 
 
さて、繰り返すがここでもう一度。
目は口ほどにものを言う。
では、キョーコからの寵愛の熱視線をその一心に注がれてしまっている当人の瞳が物語るのは……
 
もーぉぉぉっ、ウッザィッ!!
 
な、実に苛立たしくも刺々しい感情であった。
隣でもだもだと大袈裟なまでに身悶えいるキョーコも実に気にはなるが、まぁ、ある意味ではいつもの事。そう、いつもの発作だ。
どうせ、モー子さんってば幼い頃からなんってキューティフルなのっ!?とばかりに親友の愛らしさにノックダウンされて萌えているキョーコの事を、奏江はきっぱりとそう自分の意識の外へと追いやった。
繰り返すが、いつもの発作だ。親友たる琴南奏江に関してのキョーコの奇行はいつもの事で、奏江からすれば、決して慣れたくはないが慣れたものだった。
 
 
 
 
ふにふにに柔らか幼くなってしまった小さな身体には大きなパイプ椅子に無理やり座っている「5歳児」な奏江。
彼女の苛つきは何処からやって来たものであろうか?
何気なく手に取ってしまった謎のメッセージカード。それが原因なのだろう、なんとも不可思議な事に5歳児なまでの若返り現象に襲われた奏江。
女優として、洗練されたスタイリッシュなイメージでのセルフ商品管理を徹底している奏江。
そのイメージからは程遠く、正反対とまで言えそうな見覚えのあり過ぎる着古した感に溢れまくって、更にはほつれた穴を隠すダサいアップリケまでついちゃってるトレーナーと繰り返す洗濯により色あせたスカートも、確かに気に入らない。
えぇ、気にいるものか!?
所帯臭いったらありゃしない!がっ!!仕方がないじゃない!!だって、就職どころかバイトさえ不可能な5歳児なのよ?これだから、大家族なんて嫌なのよっ!!
誰しも産まれる先など選べやしないものだ。
この際、5歳児化してしまった奏江が身に付けていた今の奏江の美意識からすれば問題外にも程がある、すぐ上の姉の上のその従姉妹からのお古に次ぐお古な服装も……確かに腹立たしいが、許そう。
幼児化な怪奇現象を引き起こした謎のカードによれば、幼くなるのも少しの間の事らしい。
元に戻るまでの間、ある特定の人物を例外に滅多に人の来る事などないラブミー部の部室で誰にも会わないように引き篭もっていれば良いだけだ。
髪を掻き毟ってしまいたくなるみたいな奏江の苛つき、その元凶はと言えば……
奏江からして斜め対面に座っている男であった。
秀麗なまでに整ったその美貌に浮かぶ柔らかな笑み。抱かれたい男なんちゃらなんて謳われていやがる同じ事務所所属な先輩俳優。
演技に関しては学ぶものがあると思えども、プライベート曝け出しなこの空間に於ける蓮は……非常にチクチクとウザったい。
世の乙女を誑かそうとするみたいな蓮の笑みだが、奏江にしてみれば
 
本当、ズルいよね?はじめての親友ってだけでキョーコからこれだけはっきりと大好きアピールして大切にしてもらえるなんて。あぁ、琴南さんを見るキョーコもかわいいけど……せっかく時間が取れたんだから少しくらい俺のこと見てくれてもいいのに。
 
な、感じのモノローグがその背後に見えるかのようで。
ぶっちゃけて言えば、奏江さえ居なければキョーコとふたりきりなのに……的なお邪魔虫扱いな空気がちらほらと。
非常に腹立たしい。
近頃、やっとの事で奏江の親友にしてラブミー部のラスボスたるキョーコを絡めとったこの男。誰にでも平等に紳士的に朗らかなんて思われているらしいのだが、ことキョーコに関してだけは、その器はペットボトルのキャップ並(ほんの5CCほど)の小さく狭い浅さを誇るらしいのだ。
キョーコからの熱烈な友情にまでちくりちくりと嫉妬されてしまっている奏江からすれば、ウザったいことこの上ない。
 
 
 
のだが、今の5歳児な奏江はこのラブミー部の部室から出てゆく訳にもいかない。
そんな時のことだった。
「あっ!そうだ。昨日、クッキー作ったんですよ。」
自分が知らないでいた親友の幼い姿を存分に愛でていたキョーコが、気が付いたようにぽんっと手を打ってそう告げたのは。
うげっ!っと、女優にあるまじき感情を顔に出してしまった奏江。
このお騒がせな親友の作るものは美味しい。そう、文句なしに美味しいのである。体重制限や美容の為にカロリー制限とバランスのよい栄養摂取な厳しい自己管理を心がけている奏江が、うっかりりと食べ過ぎてしまう程に。
そんな奏江の心境を読んだかのようにキョーコは奏江に向かって訴えるように続けた。
「大丈夫よ!おからパウダーで作ってみたから高タンパクで低糖質、植物繊維も取れるようにしてみたの!」
それはもう楽しげに、それなら少しくらいならまぁ……と、奏江の心を擽るようにお手製のクッキーのプレゼンをしてみせたキョーコ。
だが、そこへと、低い声が水をさす。
「それって、この前、俺の家で試作してたクッキーと同じやつ?」
などと。
ぴきょりっと。さりげなくもしっかりと、「俺の家」を強調してみせる口ぶりでもっての蓮の言葉に、奏江の心に先ほどまでのあの苛立ちがぶり返す。
どうにかこの目の前の心の狭すぎな大人気ない俳優に一矢報いてやりたい!その一心で……奏江は「役」を憑け、クイッとキョーコの服の袖を小さく掴むとその唇を開いた。
 
 
 
 
「キョーコお姉ちゃん、私、お姉ちゃんの作ってくれたクッキー食べたいな?」
 
 
 
 
あざとくも、さも愛らしく。
ズキューーーーーン!!!!
普段はクールな親友が、幼女化しての甘えるようなおねだりである。
その効果は絶大だ。
「あぁん❤︎食べてっ!全部、食べて!モー子さんの為に作ったんだもの。私、モー子さんの為ならいつでもいくらでも作るからっ!!」
もきゅもきゅデレッデレに萌えに心を貫かれたらしきキョーコは幼く小さな親友の身体をぎゅっと抱き締めながらだだ甘くそう高らかに、奏江の為に作ったクッキーなのだと、そう宣言するのだった。
もはや、頭から蓮の事など消え失せたとばかりに自分を抱き締め擦り寄るキョーコの腕の中から、にやりと密やかに勝ち誇った笑みを蓮へと向ける奏江。
バチバチと火花が散るかのようなそんな奏江と蓮の攻防に、キョーコだけが気付かないでいるのであった。
 
 
 
 
 
 
時は、しばし流れ。
謎のメッセージカードの文言の通りに、無事に元の姿へと戻った奏江。
やっぱり、いつものモー子さんもビューティフルで素敵❤︎と、親友が幼子から元の姿へと戻れば戻ったでいつもの発作に悶えてみせるのがキョーコである。これはこれで少し鬱陶しい。
「あぁ……小さなモー子さん、可愛かったなぁ〜」
はふぅと、レアな5歳児モー子さん可愛かったな余韻にため息を吐き出しているキョーコ。
「忘れなさいって言ってるでしょうがっ!!」
いい加減にしないと親友よめるわよっ!と、奏江が対キョーコへの伝家の宝刀的な脅し文句を口にしようとした、その時であった。
「うん、ほんと可愛かったね。」
低い声がそう告げたのは。
………………ここで間違えてはいけない。この男が「可愛い」とそう評したのが先ほどまでの幼女な奏江の事であるはずがないのだと。
にっこりと、絵に描いたような麗しい美貌に笑みをのせた男は、愛しい恋人へとその瞳をしかりと向けるとしれっと続けたのだ。
 
 
 
 
「ひとりめはキョーコに良く似た女の子がいいかな。」
 
 
 
 
家族計画的なそんな事をだ。
その笑顔は一見爽やかでありながらも、色気漂うかのようで艶めいて……そこはかとなく、エロくさい。
キョーコの生涯を自分の隣へと搦めとる気満々な、恐ろしくも真面目な本気っぷりを滲ませて。
まだ、キョーコを捕獲してからほんの2ヶ月くらいしかたってやいないくせに、だ。
なっ!……な、ななにをっ!と、しどろもどろになりなが戸惑っているキョーコの頬は見事なまでに真っ赤に茹だっている。
奏江の目から見ても、なんとも愛らしいその表情。
 
 
 
 
はくはくと、唇を開け閉めはしても、言葉の出てこないでいるキョーコ。
そんなキョーコへと蕩けるような愛しげな瞳を向けながらも……
奏江へと、やんわりと、少しばかり勝ち誇るみたいな雰囲気を滲ませやがる俳優。
 
 
 
 
やっぱり……やっぱり、気に入らないっ!!
と、そう改めて目の前の俳優へと苛立ちを覚えた奏江。
 
 
 
 
この先、可能な限りにキョーコとの逢瀬を邪魔してやる!と、密かに心に決めたのだった。
 
 
 
 
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ロリっ子モー子さん☆
かわいいと思うのですよ!
。゚✶ฺ.ヽ(*´∀`*)ノ✶゚ฺ
 
 
大人気なく恋人の親友とバチバチしやがる蓮さんと幼っぷりを逆手に取ったりなモー子さんとか、楽しいんじゃないでしょうか?
猫木は書いてて楽しゅうございましたとさ。
そのうちキョコさんを巡ってのバトルに千織ンが参戦したり、やっしーが巻き込まれたりとかするのとか妄想するとおもしろいかもしれませぬ。



さて、そんな5歳児企画もたぶん次で最後かと。


 
 

NEXT→ラストは、よにんめと……

 

 

 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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