壁|д')……お久しぶりにございます、猫木であります。


さて、本日なこれ。スマホ等でネット見てるとぴょこっと下に出てくるポップアップ広告、あれってなんとなく気になるのってあるじゃないっすか?そんななんとなく気になったシーンからちょこっと妄想した成れの果て的な……?
オチ的なものもない起承転結の「起」で中途半端な終わりって具合のはんぱもの。


そんななんとも萌えもキュンもないものとなっておりまする。
なんでも桶ー☆な方はどうぞよしなに。



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深い深いエメラルド色の海に抱かれた大陸。
北方の海に面し豊かな鉱山の山脈に肥沃な大地を有する大国。
そんなヒズリの国の数多の民草たちは、複雑な感情で包まれていた。
崖崩れによる馬車の事故によっての、国を治めていた偉大なる王と麗しい王妃の余りにも唐突なる崩御。
賢王と讃えられた大国の太陽を失った喪失感と深い悲しみ。
そして、亡き王と王妃がこの国に残した新たなる太陽がもたらすだろう未来への期待と不安。





秋が深まり冬の訪れを遠くに感じさせるような少し肌寒い空気。
雲ひとつとなく高く青く澄んだ空に大教会の鐘が響き渡る。
名だたる重鎮達が居並ぶは、荘厳なる大聖堂。
その中央にて、厳かに式典を取り仕切るは……輝くような金の髪を持つ少年。
大陸の生ける宝石と謳われていた母譲りの人形のように整った美貌と輝ける金糸の髪。ヒズリの国にひとり残された希望であり、戴冠式を終えたばかりのこの国の若き国王となったクオン・ヒズリ。
そして、そんな少年の前に跪くひとりの少女。
新たなる国王が少女の艶やかな髪の上へと授けるは、涙型のピンク色の宝石が光るティアラ。
ティアラを戴き国王の隣へとしずしずと移動する少女。長くトレーンを引く純白のドレスを優雅に捌くその仕草は美しく、まだ年端もいかぬ彼女に淑女としての高いマナーと教養を伺わせる。
戴冠式に引き続き執り行われていたこの結婚式にて、王妃の位についたのがこの少女、タカラダ侯爵家の令嬢キョーコであった。
新たなる国王の隣へ王妃となったばかりのキョーコが立ち並んだ、その瞬間、ざわりと大きなどよめきが大聖堂の高い天井まで響く。
ざわざわと、声を細く小さく潜めながらも尾を引くように残るざわめき。そこに篭るは、驚きと嘲笑。
そろりと、誰にも気付かれぬようさり気なく、キョーコの足が半歩ほど後ずさる。
……だが、王国の新たなる国王と王妃との差は目に見えてくっきりはっきりと、ただそこにあるがままだ。



王国の太陽と並ぶ王妃との身長差は頭2つ分より更に多くあった。
王妃の方が高いのだ。



艶めく金の髪と美しい翠の瞳に確かなるヒズリの血脈を感じさせる若き王国……と言うよりもまだまだ幼き国王。
それもその筈。不慮の事故による前国王の余りにも唐突な崩御によってのはやすぎる戴冠。
この日、大国の頂きへと担ぎ上げられたクオンの齢はまだ数えて7つ。
そして、そんな幼き王の妃となったキョーコの齢は12。
婚約ならばまだしも、正式な婚礼を挙げるには余りにも幼いふたり。
それも、王侯貴族の婚姻には有り得ぬと言っても良い程に妻が年上の年の差。
王妃に求められる資質としては、まず、王のパートナーとして共に外交を熟す語学力とマナー。淑女の鏡たる教養と流行を産み出すセンス。そしてなによりも、一般的に貴族に嫁ぐ妻として最も求められるのが、嫁いだ家の跡取りを産み育む為に若く美しくある事。
ゆえに……極端なはなし、親子程の歳若い令嬢を妻に娶る事はあれど、その逆はなく。同い年はまだしも、年上の妻を娶る婚姻は数少なく珍しい。
それが、国王の妻ともなれば、ことさらに。
では、何故ゆえにクオンの妃が年上のキョーコなのであるのかといえば……
一重に、まだ王として幼きクオンを安全に、そして安泰に王座へと結び付ける為である。
まだ幼く、帝王学も修めきっていない若王。
豊かな王国の地を虎視眈々と狙う諸外国にとっても、若き王を傀儡としようとする国内の者にとっても、または幼き王位継承者を亡き者として国の長へと取って代わろうと企む者にとっても……またとなく狙い易い獲物であった。
幼きクオンが玉座に座わろうが、背後に立つ奸佞の徒によって座らされようが、はたまた誰ぞやに強奪されようが……このままではどうあってもヒズリの国の治世は荒れ民草に被害が及ぶのは火を見るよりも明らかな事。
そこで、急遽持ち上がったのが、クオンとキョーコとの婚姻だった。
ヒズリの国において指折りの力を持つ侯爵家。その上、数多の国の権力者からなにやらやたらと交友が深く広く顔の効きまくり、前王の親友にして忠臣であったタカラダ翁のひとり孫娘。
訳あってキョーコを溺愛しているタカラダ翁なのだ。孫娘の夫となったクオンを傀儡となどせずに良き王国へと導き育てる事であろう。
そんな狙いで婚約期間さえなく慌ただしくも結ばれた縁。




大聖堂のパイプオルガンが高らかに祝福と歓びのアリアを奏でる。
多くの寿ぎの声に包まれて並び立つ、ヒズリの国の若き太陽とその妃。
この日、婚礼を挙げたるクオンの唇は綻ぶどころか真一文字に結ばれたままの硬く固まったままの表情。そして、その隣に立つ王妃も薄く張り付いたような小さな笑みを必死に浮かべたまま。
そんなふたりの間に満ちるのは冷たく張り詰めたような空気。
それは、当人たちの意志の元でなく国を安定させるが為の、傍目にも明らかなる政略結婚であった。




熱烈な恋愛劇の末に結ばれた前国王王妃の仲睦まじい過ぎるがまでの夫婦間と違い、政略で結ばれた、形だけの冷えた夫婦仲になると…………
うら若き花嫁たるキョーコ本人でさえ、そう思っていた。







数年後、寝室の上で夫である者を見上げるある夜までは。





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ショタっ子クオンくん×年上女房キョコさん
な愛のない(?)な政略結婚。
みたいなのを妄想してみたものの……
おもしろくなるのか?これ?
歳の差逆転ショタっ子腹黒(予定)とか美味しく表現できそうもねぇ……
(´д`)
ってなってしまって続くのかどうかは不明だったりします。



あと、1話目いきなり結婚なクオン×キョコちゃんって毒喰らいとかぶるのなーとかも思ってみたり。
_(:3 」∠)_
うむ、誰ぞか楽しいのかしらね、これ?



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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