| 壁 |д・)……新しいの書くより先に、仔犬の続き書けよ!とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
えぇ、猫木めも思いますもの。
 
 
でもでも、思い付いたら書きたくなっちゃったあほ話なのですよ?
タイトルだってちょっぴりネタを仕込んだつもりな、あえてな!これですのよ。
そんな、あほ話っす!←念押し
 
 
萌えもないそんなものにてございますが、なんでもごされ☆な心広きお方はどうぞお付き合いをだっ!!
あ……ちゃんと仔犬の続きも書いてますのよ。
 
 

 
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敦賀蓮、その名を聞けばだいたいの人は頭にポンと顔が浮かぶであろう売れっ子な芸能人。
それもその筈、映画にドラマにCMからブランド専属モデルまで幅広い活躍を見せる人気俳優。
そんな彼には…………意外過ぎるような、秘密があった。
 
 
 
 
『だから、テンパってたんですっ!!』
 
 
 
 
顔よし身体よし性格よし稼ぎよしな、所謂ところの超優良物件なゴージャスターにして抱かれたい男NO.1なんて称号に君臨するモテ男。
品行方正完璧紳士な商品イメージの通りに、かわいい系か綺麗系か、まぁどちらにせよ一般人ならちょっと手が出せないくらいなまでの高嶺の花なハイクラスの恋人をひとり大事にしているのか……
それとも、裏の顔があるなんて事でな、つまみ喰いに味見になワンナイトラブ上等!食っちゃ捨てな乾く暇なし遊び人をしてやがるのか……
そんな想像が容易く出来るであろうリア充しまくりだろう日本一二を争う色男なのだが…………
 
 
 
実は、童貞である。
 
 
 
いや、嘘だろ!?と即座に否定した方が大半だろう。
なにせ、あの敦賀蓮なのだ。
ほっておいたってモテる。そりゃもう肉食系女子なんてもんじゃなくったって、蓮からアプローチなぞしなくともわらわらと群がるようにモテにモテる男なのだから。
……ん?あぁ、そんなにもモテるんなら、お金を対価に支払ってお相手いただく夜なお姉さまにお世話になった事がないって言う、童貞は童貞でもいわゆる素人童貞の逆、玄人童貞なんだろうって?
いやいや、それが違って。
それなら、男性の機能不全かって?それとも、同性愛者?極度の潔癖症?誰にも言えやしないような奇妙な性癖の持ち主?宗教上の理由で?
それが、全部、違うらしいんですよ。
じゃぁなんだって、脱童貞のチャンスなんぞ履いて捨てるくらいあるだろうのに成人も過ぎた今の今まで童貞のまんまなんだって、そう思うでしょう?
実際、とある理由により蓮からカミングアウトされた彼のマネージャーでさえ
「お前、その顔身体に色気でもってまだ未使用って…………嘘だろ?」
なーんて驚いてましたからね。
蓮だって健康な肉体の成人男性。三大欲求のひとつたる性欲も人並みにあります。(食欲に関しては怪しいところではあったりするのだけれど……)
思春期なお年頃には当然、恋人だって作りましたとも。お国柄から性に関するハードルが低めだった事もあり、彼が初めてセックスをしようと試みた年齢は平均よりも若かったとさえ言えたりなんぞします。
ところがどっこい。
最後まで出来なかったらしいのです。
ムード作りがなってないだとか、彼女を喜ばせるテクニック不足だとか、サイズが大き過ぎて挿入が出来なかっただとかな理由ではなく…………使いものにならなくて。
なんだやっぱり機能不全じゃないかって、そう思うでしょう?
でもね、彼、自分ひとりでなら、出来るんだそうで。
ただ…………それには、幼い頃に彼の父の母国で出会った小さな泣き虫の女の子「キョーコちゃん」を思い出して、ではないといけなくって。
そもそも、最初な最初、本能的欲望が高まるお年頃な蓮がはじめて夢精での精通を迎えた夜、彼が見ていた夢がその「キョーコちゃん」の夢だった訳で。
大切な思い出ではあっても、たった数日を一緒やな過ごしただけ、忘れていた訳ではなくとも思い出すのも疎らで記憶も薄れていた頃なのに、その夜に限って、泣いている「キョーコちゃん」を慰めて抱き締めて……と、まぁそんな微笑ましいような夢で。
ちょっと待て!彼の思い出の「キョーコちゃん」は幼女である。自分は幼児性愛者なのか??と、彼は悩みに悩んだ。
だが、記憶の中の「キョーコちゃん」と同年代の児童を見ても触れても、微塵もムラムラっともしなくて。
けれど、でも、なんの呪いか刷り込みか?
彼は……思い出の女の子の涙に濡れた紅茶色の瞳とぬくもりを頭に思い浮かべてでないと、自慰さえままならない、そんな有様と成り果てていたのだった。
アジア系が好みなだけかと、日系の恋人を作ってみても駄目。
恋人と抱き合う時に違う女の子を思い浮かべるなんてそんな後ろめたい事したい訳もなく、罪悪感から交際自体もぎくしゃくとしてしまったりな……
と、そんな苦い失敗を積み重ね、とあるきっかけでここ日本で敦賀蓮としてデビューし売れに売れたゴージャスターとなるまでな現在も、その外見と有り余るような色香を裏切った意外すぎる抱かれたい男NO.1にて童貞の誕生と相まっているのだ。
どれだけモテようが、どうせ恋人になってもそのうちに出来ないのが原因になって別れを切り出されての繰り返し。
別に経験人数やら回数なんかが顔に書いてあるおもしろ仕様でもなし、黙っていればわからないのだし、もう生涯このままだろうがどうでもいいや……などと、蓮は不貞腐れたような開き直りを胸に日本1モテる童貞を貫いていた。
が、困った事などないと考えていた童貞が問題となって蓮に降り掛かった。
そう。繰り返すが、蓮は抱かれたい男NO.1な俳優なのだ。
当然、恋愛が重く絡んだ演技を……ベッドシーンを演じる事を求められる。
実際に体験しないと演技が出来ないとは言わないが、絵として映像に撮るだけとは言え、欲情を体現しなくてはいけないのだ。
経験のない蓮が見様見真似にシーンをリードしてみても、どうしたって薄っぺらい嘘臭さが混じってしまう。
清純派が売りな女優やらと違って、肌色シーンにNGが出しにくい男性俳優。それも、どちらかと言えばアダルディな売り出しが商品イメージな敦賀蓮である。
俳優として、いつまでもベッドシーンを避けて通れやしないだろう。
このままならいつかベッドシーンへのダメ出しで役を降ろされたりな未来が待ち受けるだろうと、言い出し辛い事この上なしながらもマネージャーに未体験を相談してみても…………
だからってこればかりはどうしようもない八方塞がり。
越えられない壁を前に塞ぎ込むように蓮が苦悩の日々を送っていた、そんな時にだった。
 
 
 
 
唐突に、それは蓮の足元へと転がり落ちて来た。
どこか見覚えのある石。
それを追うように、人間離れした身体能力で階段を駆け降りてきた少女。
「…コーーーーン!!」
泣きそうな叫び声。
復讐だなんてふざけた理由で事務所入りしようとしていた気に食わない女の子。
「君さ……もしかして、京都に住んでた?」
確かめるような質問。
けれど、そんな質問への答えを前に、蓮は心の何処かで確信していた。
彼女は……「キョーコちゃん」だって。
思い込んだら馬鹿みたいに一直線で、泣き虫のくせに頑張り過ぎるぐらいながんばり屋で。夢みがちなメルヘン趣味の騙されやすいくらいに無防備なまでにまっすぐな女の子。
過去に彼女へと渡した石が欠けてないと、安心してふにゃりと笑うその笑顔。
からかって脅すとおもしろいくらいに怯えて震える細い身体と、涙に濡れた紅茶色の大きな瞳。
最上キョーコ=「キョーコちゃん」をはっきりと自覚したからだろうか?いや、その前からだって、彼女の前ではどうしてもいつも通りに作られた「敦賀蓮」の演技さえままならなかった。
ぞくり、と。
蓮の背中を這い下りる震え。
目の前の女の子をどろどろに甘やかしてやりたい。それと、同時に、ぐしゃぐしゃに泣かせたい。
突き動かされるような強い衝動。どうしようもなく愛しいと思う慕情。それは、蓮が今まで感じた事もないような欲情を伴っていて。
ここで、思い出してやって欲しいのだれども、彼はこのハーレムだって作れそうな百戦錬磨な見た目でもって、正真正銘な恋愛初心者にして童貞である。
はじめて、自覚した恋心。大切な思い出の女の子。なのに、その子は、自分が嫌味やら嫌がらせやらを繰り返しに繰り返してビビらせまくって嫌われてしまっているだろう相手で。そして、相手の全てが欲しいとはっきりと感じる、肉欲。
それらが混ざりに混ざった極限までテンパりにテンパったMAXな混乱の坩堝の中、蓮はうっかりぽろりと無意識のままにキョーコへ伝えてしまったのだ。
 
 
 
「俺の童貞をもらってください!!」
 
 
 
だ、なんてとんでもない願いを。
事務所の意地悪な先輩から唐突に投げられたどう考えてもセクハラな台詞がキョーコの頭の中で理解されるまでの間、2.6秒間程の沈黙の後
「いやぁぁぁぁっ!破廉恥ぃぃぃぃぃーーー!!」
耳をつんざくようなキョーコの悲鳴が上がったとか。
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、これが、後に芸能界でおしどり夫婦だなんて呼ばれる敦賀夫妻の誰にも語られる事のない、馴れ初めだったりするのだとさ。
 
 
 
 
 
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DTな蓮さんはいかがですか?
ほら、あほ話だったでしょー?
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、
 
 
 
童貞蓮くんは原作の紙縒りで枯れたゴム紐な非童貞蓮くんより忍耐力なさそう。きっと、カイン兄妹での生殺し同棲生活とか耐えられないに違いない。笑
 
 
 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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