BLCD 『姫君の輿入れ』感想 | 半腐女ry生活?

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腐っているような腐っていないような声優&アニメヲタが送る感想ブログ。
(と言いつつ、中身はドラマCDの感想ばかり・・・w)

※この感想文は元々拍手お礼の為にアップしていたものを少々手直ししたものです。

書いた当時とほとんど同じなので雑な部分や失礼な部分もあるかもしれません。

何かございましたらご一報くださいませ。





姫君の輿入れ (SHYノベルス145)/大洋図書
¥929
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BLCD「姫君の輿入れ」を聴きました。
2008年6月30日発売 原作:和泉桂 イラスト:佐々成美

出演 野島健児 小野大輔 神谷浩史 近藤隆 遊佐浩二 土田大 他


「私のためだけに咲き、私のためだけに散ればいい」
今を時めく左大臣の一の姫にして、帝に入内を心待ちにされている姫・狭霧には、誰にも知られてはいけない秘密があった。それは、実は男子であるということ…狭霧はとある事情により、男でありながら生まれたときから姫として育てられていたのだ。
そんなある日、光源氏に喩えられる遊び人で、父の政敵でもある宰相中将・源実親が狭霧の許に突然現れて!?
貴公子と少年、平安の華麗なる婚礼奇譚、誕生。


小野大輔(源実親)×野島健児(狭霧)



いきなり酷い発言をしますが・・・
人様の感想を当てにしてはならない!
ずっと積んでいたのですが、いつも聴きたい気持ちとそこまでして聴きたいかなと・・・つまり中途半端な気持ちとが入り混じって、そういう時は大抵人様の感想を参考にどうしようか決めるのですが、読んでみると高評価が少なかったので、やっぱりやめとこう・・・
で、4年経ちました。
今度は誰かに左右されることなく本当に聴きたくなったので聴いたのですが、(゜ロ゜;)エェッ!?
面白いじゃないですか!
なんなんだー!
今になってよく読めば良いという感想も目に入ってくるのですが、どうも悪い方ばかり見てしまっていたようで・・・。こういう見方はほんとにやめよう・・・。



2枚組でじっくりと平安貴族の物語を楽しむことができました!
長い、眠い、などの感想も拝見しましたが、平安時代のゆったりとした流れそのままに丁寧に作られていて、正しい描き方だと思いました。
日本の雅をよく追及していて、演者さんたちがFUNBOOKで古語の美しさについて言及されていましたが、それらを音として聞き流すも良し。思いを馳せるも良し。わからない言葉は調べて聴くも良し。
楽しみ方はたくさんあります!


春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山ぎは、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜。
月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる、また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。


これは清少納言「枕草子」の有名な冒頭ですが、まさにこれを体現した世界観だと私は感じました。
秋、冬、と続いていくこの随筆のように、「姫君の輿入れ」も一幕一幕丁寧に聴き進めていくのが“をかし”です。



狭霧(さぎり)@野島さんは理由あって男子なのに女子として育てられます。五条帝@遊佐さんからの求愛を受け続けるものの入内するわけにもいかず、絶世の美女と言われながら15になっても誰とも契ろうとはしません。
そこに目を付けたのが実親@小野さん。彼は狭霧の噂を聞きつけある嵐の夜に夜 這いするのですが、いざ事に及んでみれば男子とわかり・・・
それでも、好きな気持ちは変わらず、狭霧を娶ることにします。
狭霧はとても賢く聡明な人物で、実親邸で暮らすことになってからは日々努力して役立つ人間になろうとします。
実親は狭霧の気持ちを大切にし、女子として生きたいのか、男子として生きたいのか、選ばせます。
二人ともお互いを思いやっているのですが、恨みによる帝の嫌がらせや様々な誤解から、すれ違いもありつつ・・・
内容は大体こんな感じです。


二人のすれ違いにもやもやと、しかし内に秘め耐え忍ぶ愛をゆったりと見つつ・・・
実親の側近の文秀@近藤さんや、実親の親友である朝家@神谷さんなど、二人を見守るしっかり者たちの応援のおかげで作品にぴりっとした部分が加えられて、安心して聴けました!



一部小野さんの演技が丁寧でないと読みましたが、私はそうは思いませんでした。
貴族らしく麻呂のようにほほほとしているのが良いと言うなら確かに違うのでしょうけれど、行動力があり頭の良い人物に見えたので、歌や蹴鞠に興じただ澄みきった声で柔らかく降りてくるような感じより、多少声を荒げ帝にも正面から向かい合える感じが必要だと思いました。それを表すにはこの役作りは良いのではないかと。
過去にはたくさんの女性と浮名を流していたようですが、キャラや演技からは狭霧に一途な面しか感じられませんでした。朝家の言葉から考えても、実親の本質は愛しい人を一途に想い続けるところにあると納得できましたので、これも難点だとは思いません。
小野さんは今作の世界観がお好きで収録を楽しみにしていたとおっしゃっていて嬉しかったです^^


野島さんはとにかく可愛い!!!
女性を意識して演じたと読みましたが、確かに可愛らしい女子でした^^
狩衣に烏帽子姿になり少年らしく振る舞ってみても、元の少女らしさは消えません。
しかし、女性の性質に染まりながらも、中性的な男子像を残してもいるので、ちゃんと野島さんの素朴な良さが出ています。
勤勉なところも、知識を増やしていくことを純粋に喜ぶ明るい表情にも、とても好印象を持ちました!


Hシーンも情緒があって良いです!
私は最初の嵐の夜が好きです。
演者の方々がどんなSEが入るのか楽しみとお話しされていましたが、想像力を掻き立てるものになっていますよ!
雷が落ちて美しい狭霧の顔が青白い薄明かりに浮かんだ時・・・!!!
そして、組み敷かれる一瞬!
実親によるある種の暴力性と情景が合わさり、ドラマ性に富んだシーンになっていると思います!



声優さん方の美しい声で言葉を大切に聴くだけでも楽しい作品です。
平安時代がお好きならもちろんお薦めします!!!



最後にもう一度書きますが、他人の感想、即ち私の感想など当てになりません。
へぇ~程度の気持ちを持っていただければもう十分で、それ以上は望みません。