最強レベルの災害に対してハード対策は無力なのか? | ふるさとを守りたい、子供達の未来を守りたい

ふるさとを守りたい、子供達の未来を守りたい

日々頭に浮かんだことを語りたいと思います。

7月24日付愛媛新聞10面の「解く追う 肱川流域新洪水想定の衝撃(大洲)」という中井有人記者の署名記事によると、国交省大洲河川国道事務所が最大総雨量が従来の2倍以上、浸水被害面積1.59倍、被害戸数が約4千戸増加とする肱川流域の新たな最大規模洪水想定を公表し、新想定への対策は今後、ダムや堤防などハード面の整備で対応できない規模だけに、避難方法などソフト面の対応をメインに協議されると報じられていました。


そこで、従来の想定を大きく上回る最強レベルの災害に対してハード対策は本当に役に立たないのか否かを考えてみたいと思います。その上では、三つのことが重要な論点になります。


まず一つめは財政面ですが、10年物国債がマイナス金利で取引されるなど、日本国債は超低金利が続いているうえ、日銀が量的緩和で国債を大量に買い入れているため日本政府の借金は実質的に減少し続けており、現時点においては全く問題ありません。


二つめは建設・土木関連の供給能力です。これについても、国土交通省の「建設労働需給調査」などによると現在は建設・土木業界において人手不足は発生しておらず、現時点において問題ありません。


三つめは技術面です。これについては、堤防やダムなどの従来のハード対策だけでは最大規模の洪水を完全に防ぐのは確かに不可能です。ただ、工夫をすれば最大規模の洪水に対してもハード対策は減災に大いに役立つと思います。


例えば、「インプラント工法」などの最新工法を活用して既存の堤防を補強し決壊しにくい粘り強いものにしたり、地下放水路を建設するなどのハード対策を行えば、完全に防ぐのは無理だとしても被害を最小限に抑えたり、避難の時間を稼ぐ効果は期待できます。

「インプラント工法」
https://www.giken.com/ja/


また、ある程度の浸水被害が出ることを前提として、役所、警察署、消防署、病院、学校、福祉施設などの高台への移転や避難施設の増設を進めたり、排水ポンプなどを増強して早期に復旧できるようにすることも有効なハード対策だと思います。


そして、最も重要なハード対策は交通インフラの整備です。肱川流域で最大規模の洪水が発生した場合、大規模な広域避難が必要になることが予想されます。しかし、大洲市と周辺地域を結ぶ幹線道路には土砂災害で寸断される危険が高い区間が多くあるうえ、松山自動車道の大洲市付近の区間は大部分が片側一車線となっており渋滞も予想されます。広域避難の円滑化のためには、各幹線道路とJR予讃線の浸水想定区域を通る区間のかさ上げや付け替え、山間部を通る区間のトンネル・覆道化や「ノンフレーム工法」などの最新工法を用いた斜面の補強などの土砂災害対策など、徹底的な寸断対策を行うとともに、松山自動車道の4車線化やJR予讃線の複線化を進める必要があります。

「ノンフレーム工法」
http://www.non-frame.com/


災害から命を守るためには、「ハードでは防げない」などと諦めてしまうのではなく、ハード対策とソフト対策を車の両輪のように適切に組み合わせて行っていくことが重要なのです。


行政がハード対策に前向きでない以上、地域の防災士や自主防災会がハード対策の重要性や日本の財政について理解し、行政に対して声を上げていく必要があると思います。


小中学生の皆さんは夏休みの宿題で自由研究が出ていると思いますが、まだテーマが決まっていない人も多いでしょう。そこで、皆さんが住んでいる地域で想定されている地震、津波、洪水、土砂災害など最大規模の災害に対して、どんなハード対策をすれば被害を少なくしたり、避難などのソフト対策の効果を最大化できるのかを研究テーマにしてみてはいかがでしょうか。


その参考資料としては次の書籍がオススメです。

京都大学大学院 藤井聡教授著「救国のレジリエンス」、「巨大地震Xデー」、「超インフラ論 地方が甦る四大交流圏構想」



言論ポータルサイト『進撃の庶民のブログ』は行き過ぎたグローバリズムなどに警鐘を鳴らすブロガー支援目的のサイト



・【新世紀のビッグブラザーへ~三橋貴明様】
政治経済ブログランキング一位!経世済民・反新自由主義を学ぶブログ!


http://anti-neoliberalism.top/

反グローバリズム・反新自由主義を謳う次世代型ポータルコミュニティ。