愛媛新聞投稿欄「門」5月13日付
新型コロナから一人でも多くの命を救おうと、過酷な環境下で日々ご尽力いただいている医療従事者の皆様には心から感謝していますが、同じ医療従事者でも写真のような殺人ほう助に等しい投稿をする医師には私は強い憤りを覚えます。
この医師の方は、コロナ危機への経済対策で政府支出が増えることで敗戦直後のような極度のインフレが起こることを心配しているようですが、モノやサービスの供給能力は潤沢でしかもデフレ下という現状において、空襲などで主要都市が焦土化し生産設備が破壊されていた敗戦直後と同レベルのインフレが起こるということはあり得ません。また、安倍政権があたかも放漫財政であるかのようなことも書いていますが、プライマリーバランス黒字化目標を堅持しており、経済対策の予算規模も諸外国と比較して少ない安倍政権は明らかに緊縮財政です。中小企業への持続化給付金にしろ、全国民への10万円給付にしろ「足りない」という声が上がっています。
医師の方は医療以外のことは無知なことも多いのかもしれません。しかし、これは無知では済まされません。このような投稿のせいで財政出動を求める世論の形成が妨げられれば経済対策が不十分になり、結果、コロナ不況で経済的理由により自殺などで多くの命が奪われるからです。
また、平時から医薬品の研究開発、生産能力確保や医療体制整備に政府が継続的に支出しなければ、今回のような非常時に患者がいくらお金を出しても必要な医療を受けられないという本当の意味でのインフレに陥るということも理解してないとしたらこの方は医師としての適性にも問題があると思います。
この方と掲載した愛媛新聞は、コロナの感染と経済被害で多くの命が奪われた場合どう責任をとるつもりなのでしょうか。
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