皆様の熱い支持を受け、まさかのメスキツネちゃんの番外編です。
通行人程度しか考えてなかったので名前もつけなかったのですが
番外編を書くにあたり本編よりも少しジェジュンとの距離を縮めてますのでご了承くださいね~
ではお楽しみ下さい。
メスキツネが牢屋から出てきた。
ジェジュンを助けた罪で一時拘束されたが、九尾狐は今回の件について
張本人のジェジュンやユチョン以外には罰を与えない判断を下した。
それによってジェジュンとユチョンを推進したチャンミンも罪に問われなかった。
裏切ったものには厳罰を与えると公言してる九尾狐だったが
実際は早く苦しみから解放してあげていた。
自分が愛を貫けなかった分
愛を選んだもの達には幸せになって欲しいと願ってるからだった。
この先幸せをつかむのは自分自身だけど・・・
あの子達には幸せになってほしい・・・・
特に同性同士の恋だから人間界では弊害が多いだろう。
ジェジュンが幸せにならなければ・・・残されたチャンミンが浮かばれない・・・・
九尾狐はあれから少し元気のないチャンミンを案じていた。
「ジェジュン様・・・・・今頃は熱で苦しんでいるはず・・・・
かわいそうに・・・」
メスキツネはジェジュンと初めて会ったことを思い出していた。
メスキツネがある日野原を散歩していた。
すると一匹のキツネが狩りをしてる最中だった。
忍び足で小鳥に近づき、飛びついたが高く飛んでしまい、小鳥を追い越してコロコロと丸くなって勢いよく転がった。
そして小鳥がびっくりしてしまい、逃げてしまった。
(な。。。。なんてどんくさい・・・・・・)
メスキツネはおもわずふき出してしまった。
「いてて・・・誰だよ!笑ったの!!」
そのキツネは体をペロペロと舐めて立ち上がってメスキツネを睨んだ。
メスキツネは目を見張った。
な・・・・なんて美しい・・・・
今まで見た事のない綺麗な光沢のかかった灰色で艶やかな毛並みが風を受けて、軽くなびいていた。
切れ長で大きな瞳は意志の強さを表しているようだった。
今までこんな綺麗なキツネは見た事がない・・・・
「じゃーお前やってみろよ!メスは出来ないだろ!ふん!!」
普通だったらあなたも出来なかったでしょ!と言い返す所だが
あまりの美しさに我を失いポーーと見とれていた。
「あ、あそこに小鳥が止まってる!お前捕まえてみろ!!」
メスは本来狩りをしなくても木の実だけで充分栄養をつけれるような胃腸の仕組みになっていた。
それでもメスキツネは狩りが上手だったのでたまに狩りをして獲物を食べていた。
メスキツネがいとも簡単に小鳥を捕まえて、口でくわえて、そのキツネの前にもってきた。
「わ、お前、メスのくせにすげーーー!!!」
メスキツネは褒められて頬を染めた。
グーーーーー
キツネがお腹を鳴らした。
メスキツネはその小鳥を下に置いた。
「食べて下さい。私はお腹がいっぱいですので・・・」
「ええーー!?ほんと!?いいのーー!?」
メスキツネがうなづいた。
「ありがとうーーー!!」
キツネが小鳥に飛びついた。
「おいしいーーー!!お腹すいてたんだ~」
メスキツネはしばらくおいしそうに食べる姿をうれしそうに眺めてその場を去ろうとした。
「あ、あんた名前なんていうの~?」
「私ですか?クンスンていいます・・・」
「カワイイ名前だね~クンスンありがとう、じゃ~!」
かわいい名前・・・・
クンスンは顔が真っ赤っかになった。
「あの・・・?」
「ん?」
「お名前聞いて・・・よろしいですか?」
「俺?」
そのキツネは顔を上げた。
「俺ジェジュン。」
ニコっと笑ってまた食べ出した。
(ジェジュン・・・・・・ジェジュン・・様・・・・)
クンスンはジェジュンの屈託のないはじける笑顔に一瞬で恋に落ちた。