「ええーー!ジェジュンを知らなかったの-?イケキツネNO1でこの界隈じゃ有名じゃん!!」
「え、そうなの?」
友達に興奮してジェジュンの事を話した時クンスンは鼻で笑われた。
あんまりそういう事に興味が無く、狩りや体を動かして訓練するのが好きだったクンスンはそんな有名キツネだという事をまったく知らなかった。
「だけど性格悪いって噂よー。」
「・・そんな事なかったよ。」
確かにマイペースっぽいけど・・悪いキツネには見えなかった。
逆に基本的な狩りも出来ないのに堂々としてるジェジュンが愛おしかった。
「ジェジュンって狩りがヘタでしょ?
だからみんなジェジュンに気に入られたくて、獲物を捕まえて持っていくんだけど
みんなクンスンみたいに狩りが得意じゃないから必死で捕らえて持っていくのよ。
でも特別に感謝される事もなく、当たり前のように食べて、ごちそうさま~て言ってそのまま帰っちゃうんですって。
だからみんなばかばかしくなってやめちゃうのよ。」
みんな何を求めてるのだろう。
あのジェジュン様のおいしそうに食べる姿
ありがとう~とあまり心はこもってないけど
ほんとうれしそうなあのこぼれる笑顔だけ見れたら充分じゃない・・・
そしてクンスンは毎日ジェジュンの所へ獲物を持っていくのが日課になった。
「あ!クンスーー!!こっちこっちーー!!」
ジェジュンがうれしそうに走って来た。
「・・・ジェジュン様・・・私の名前はクンスンです。」
「え?そうだっけ?ごめんごめーーん!クンスンね。よし覚えたから!」
そう言いながらジェジュンはクンスンが持ってきた獲物をよだれをたらしながら
ずっと見ていた。
「ジェジュン様・・・今日はおいしそうな鳥を2羽捕まえてきましたよ。」
「わーーいわーーい!ほんとだ~おいしそう~!!サンキュークンスーー!!」
(だからクンスンだって・・・・)
ジェジュンに今まで何度教えてもクンスだったので半分あきらめていた。
「わ、んま、んま・・・クンスこれほんとうまうま!!」
ジェジュンの嬉しそうな顔を見て、思わず顔がほころんだ。
もうクンスでもなんでもいい。ふふふ・・・
「今日俺もう少しで獲物捕まえられそうだったのにもう少しの所で逃げられちゃった!」
「ジェジュン様、おいしいですか?」
「うん!!」
「ジェジュン様が狩りを上手にできるようになれば私の楽しみががなくなりますからジェジュン様は上達しなくていいんですよ。
明日も頑張って捕まえてきますので待ってて下さいね。」
「うん!!」
むしゃむしゃ・・・・
「だけどいつか俺が捕まえてクンスにごちそうするね~」
むしゃむしゃ・・・おいちーー!!
クンスンはキュンとした。
(こうしてたまにさりげなく喜ばせるセリフを言ってくれる。
これがたまらないのよね~)
クンスンは目を細めてジェジュンを見つめた。