ユンジェ記念日 君は僕の先へいく 中編 | ユンジェとトンと私

ユンジェとトンと私

奇跡の5人の中から生まれた
もう一つの奇跡の花 ユンジェ
윤재곁에있을거야

ジェジュンから甘いキスの嵐を受けている内にムラムラとして来た俺はジェジュンを膝の上に乗せてその柔らかいグミのような桜色の唇を奪おうとした。

 

するとジェジュンはすっと逃げるように立ち上がり、

 

「お楽しみは後でゆっくり、うふ、次はこっち~」

 

そう言いながらジェジュンは椅子を押し「ボスプライベート」と書いているドアを開けた。

 

「え!なにここー!」

 

俺は歓声をあげた。

 

曲を作るための機材や大きなモニターやパソコン、電子ピアノが置いてあり、少し離れた所に大きなソファーが置いていて、その近くにバーカウンターそこにミニキッチンが設備されていてカウンターの後ろには様々なお酒を置いてあった。

 

まるで家のリビングに招かれた気分だった。

 

「普通に家みたい。ここで住めそうー」

 

「そのつもりで作った。俺って曲作る時ってずっと籠ってるじゃん。会社の代表になったらそういう事も出来なくなるし、家帰る時間がもったいなくなるかなって思ってさ、ここでお酒を飲みながら一人で寛ぎたいし、そこのキッチンで軽く料理を作り酒を交わしながらざっくばらんに仕事の話も出来たらいいな、て思ってさ」

 

ジェジュンは満足そうにうんうん、とうなずいた。

 

「あ、奥に寝室もある。トイレやシャワールームも完備。まじでここに住み着いちゃうかも」

 

キングサイズのベッドが置いてあり、棚の上に様々な写真が置いてあった。

 

ジェジュンの両親や家族との写真。練習生時代、東方神起のデビュー時から5人で活躍していた写真とJYJの3人の写真。ケリョンデで両方の家族と撮った写真。

 

そして俺とチャンミンの東方神起の写真も。

 

「ここに俺とお前の歴史が詰まっている。」

 

そしてベッドサイドの棚には俺とのツーショット写真が所狭しと並べられていた。

 

「お前さ・・・置きすぎ」

 

俺はおもわず、笑ってしまった。
 

「だってさーどれもお気に入りなんだもん~練習生の頃の二人もめっちゃ可愛いし、東方神起の時は一番燃え上ってる時だからこれこそ選べないしさー」

 

「それはまーいいとして・・・・あれ」

 

俺は壁を指さした。

 

「いいだろー!やっぱこれだろー」

 

 

 

6月10日はペンが決めた結婚記念日。

 

俺達も毎年楽しみにしていた。

 

別れていた期間はつらい記念日だったけど、ヨリを戻してからは

「今年もそばにいてくれてありがとう」と毎年二人でお祝いをしていた。

 

去年15周年の節目の年に共通に仲のいいカメラマンに二人での写真を撮ってもらった。

 

ノリノリで衣装も何度も変え何百枚も撮ってもらい写真集を作った。

 

カメラマンは「いやーどの写真もすばらしい。商品化すれば飛ぶように売れるのにー」

 

と惜しんだ。

 

 

その時の1枚を大きく引き伸ばし、額縁に入れて壁に飾っていた。

 

この日のためにお互い新調したスーツを着てかしこまって撮った写真。

 

まるで結婚するときのフォトみたいだ、と


二人とても気に入った写真だった。


だけどこうして大きく引き伸ばしてみたらなんだかこっぱずかしいや。いい写真だけど。



「いいだろー、ユノもリビングに自分のでっかい写真を飾らずにこれ飾れよな!このナルシストめ」

 

ジェジュンの家族は俺達の事を認めてくれていて、ヌナ達は寧ろ<ユンジェペン>だった。

 

ジェジュンが記念に写真集を作ったんだーと言えば「私も欲しいー」とヌナ達の要望に応え何部か新たに作ったほどだ。

もちろん両親にも配っている。

 

 

俺の家族は認めたというか容認してる、て感じ。

 

しかもジェジュンペンだったジヘだけは賛成してくれると思っていたが一番猛反対した。

 

「ユノはシスコン」とよく言われるが、ジヘは俺よりもはるかにブラコンだった事を初めて知った。

 

しかしジヘも真剣な恋をし色々苦難を乗り越え結婚(有名人である俺のせいだが)2児の母親になり、だいぶ丸くなった。

 

日常の忙しさに兄の色恋にかまっている時間もないのだろう。と思っていたが後でオンマに聞いた話だが「私もそうだったけど無理に別れさせようとしても別れないし、心閉ざして一生誰とも結婚しないかもよ。どっちみち息子の孫の顔見れないんだったら気持ちよく認めてあげたら?」

 

等と根気よく説得してくれてたらしい。

 

ジヘの頑張りのおかげで段々と風向きが変わってきたいいタイミングだったかもしれない。

 

頑なにジェジュンを拒んでいたアッパだったが、ケリョンデで仕方なく顔を合わせる事となった。


緊張していた俺をよそにジェジュンは持ち前の人懐こさを発揮してアッパに対し恐れることなくずっお話しかけていた。

 



「ジェジュンはよくしゃべる子だな・・・ユノ疲れないか、一緒にいて」

 

ジェジュンがトイレに行った時、アッパがふーっとため息をつき、背伸びをしながら俺に言った。

 

確かにいつもよりジェジュンはよく喋りはしゃいでいた。 


「アッパ、普段はもう少しおとなしいよ。ああ見えて本当はすごく緊張してると思う。だからあんなにはしゃいでると、、」

 

「よく喋る男は俺は好きじゃない」

 

俺の言葉をアッパは冷たく遮った。


(あちゃージェジュンー逆効果だよー)

 

とガックリした瞬間、

 

「しかし、悪い男ではなさそうだ」

 

とアッパはふっと笑った。

 

(ジェジュン!やった!合格だよ!)

 

「だろ?アッパあいつ本当にいい奴なんだ、優しいし料理も上手いし、それにね!」

 

俺は嬉しくなってジェジュンのいい所をアッパにまくしたてていた。

 

 

「あっはーーー!おっまたせしましたーー!ユノアッパ―どこまで話しましたっけーー!」

 

ジェジュンが汗をかき息を切らしながら走って帰ってきた。

 

「あ、、、うん、、、俺もトイレ、、」

 

と言ってアッパはすくっと立ち上がった。

 

「えーーー寂しいなーアッパ早く帰ってきてくださいねー!」

 

アッパはとても困った顔をして俺を見た。

 

堅物なアッパのそんな困った顔を初めてみた俺はぷっと吹き出してしまった。

 

「えーなになにー?俺のいない間に何かおもしろい事があったのー?」

 

無邪気にジェジュンが聞いてきた。


「当分アッパ帰ってこないよ、なは~」

 

「え、なんで?俺なんかしでかした?」

 ジェジュンの顔が一気に曇った。


「合格だよ!ジェジュン!よくやった!!」

 

「ほんと!?やったー!」

 

俺達は手を取り合って喜んだ。

 

 

 

俺の家にも飾ろうかな?

 

この写真を見た時、アッパの困り顔をもう一度見れるかもしれない。

 

俺はフフっと笑った。