格之進が左の胸を貫かれ、血反吐を吐いて意識を失ってしまった。
テツヤとアラタはリリーサを守るべく、マァル将軍に視線を向けて、戦闘態勢を取った。
マァル将軍はそれを見て笑った。
「俺もナメられたものだ…こんな子供に勝てる相手と思われているのか」
しかしテツヤとアラタが思わぬスピードで以て接近し、無数の正拳突きと蹴りを見舞ってきたのだ。
それを受けながらもマァル将軍は面食らった。
「な…なんだ、このガキ共は…!」
マァル将軍が驚いた好きにテツヤがチョークスリーパーを決めた。
テツヤは一瞬でマァル将軍の意識を奪った。
そしてアラタに「リリを連れて逃げろ!」
と指示を出した。
アラタはリリーサを抱きしめ、必死で逃げようとした…
その頃、人口ビースタムはN国軍を殲滅せんと暴れまわっていた。
最後のモビルスーツを破壊したのを確認した地ビースタムは、マァル将軍の下へと向かっていった…
格之進達のピンチを懸念し、F00も現地へ向かっていったが、その時コクピットの中で眠る生明の意識に、子供の声が聞こえてきた。
「ママ…助けて!」
生明はその声で、目覚めた…!
「り、璃彩…!」
確証はない。が、生明は璃彩(リリーサ)からのメッセージだと直感した。
「うぉぉぉぉおおおおおおお!今すぐ助けに行くからねーーー!」
本来、近くにビスタムのチカラを感じなければF00はデストロイモードに変身することはない。
が、生明の持っていたビスタムのチカラが大きくリリースされ、デストロイモードへとかわってしまったのだった…!
「あ…生明ちゃん…?ど、どうして?!」
「Fちゃん!急ぐよ!璃彩が…璃彩とみんなが危ない…!」
しかしそこへ思わぬ衝撃を受け、F00が倒れ込む…
「いたたたた…な、なに…?」
生明がモニターを見ると、そこにはマァル将軍の下へと向かったはずの人口ビースタムが行く手を阻むかのように立っていたのだった…
(15話につづく)
※業務連絡
しばらく更新出来なくて、すみません(汗)
体調不良やら何やらで、なかなか書くことが出来ませんでした。
4月になってから初めての小説なので、簡単に前回のあらすじをば。
マァル将軍に強引に変な薬飲まされたジェロ元参謀長は、【人口ビースタム】となって、生明の下へと現れていて、彼女を取り込んだF00ユニコーンがボコボコにされちゃったんですよね、確か(汗)←をい
んで、マァル将軍の取り巻き達が璃彩(リリーサ)を奪うべく、格之進のいる場所へ向かった…っチューところで中断しちゃったんでした…っけ?(確認)←確認すな
んなところで、続きが始まりまするぅ〜…
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大ビンチのF00ユニコーン。
思わぬ強敵人口ビースタムを倒すには、どんな手があるのか?!
「このまま倒されたら…生明ちゃんに合わせる顔がないよな…」F00は、焦っていた。
が、そこへ何を思ったのか、人工ビースタムは眼の前から消えてしまった。
また背後からの攻撃を受けるのかと後ろを振り返ったが、誰も居ない…
しばらく様子を見たが…
「何処へ行ったんだ…?そして、何故消えたのか…?」
F00はビースタムの気配を感じなくなったため、デストロイモードからユニコーンモードへと戻った。
生明の意識はまだ戻らない。
F00は、【田原家】に戻ることにした…
※田原とは、シンさん(生明の旦那様)の偽名です
その頃、すでにその田原家周辺をN国(サウサリコ)の軍隊が取り囲んでいた。
「いいな、今から奇襲をかけるぞ。そして521号(格之進)どもを全員撃ち殺せ。間違ってもリリーサを撃つなよ…わかったな?」
「はい!」
「よし、行くぞ…」
ジワジワと詰め寄っていくN国軍…
そこへ、人口ビースタムが襲ってきた!
「うわー!」
「なぜだ?!ガンダムと戦っていたんじゃ?!」
参謀達は待機させていたモビルスーツ隊の出撃命令を下した。
だが、理性を失った人口ビースタムに、まるで打つ手がなかった…あっという間に、全滅してしまった。
その隙を見て、格之進達はリリーサを連れて逃げようとしたが…
そこにマァル将軍が立ちふさがった。
「しょ、将軍様…」(格之進)
「どうせ、こんなことになると思っていたんだよ。俺の部下共は大事なところでしくじるな、ハハハ」(マァル)
「テツヤ、アラタ…逃げろ!リリーサを守ってくれ!ここは僕が食い止める!」
「ほう、面白いな。お前ごときに俺を倒せるとでも?」
「ぐっ…それは」
格之進も、流石にマァル将軍に勝てるとは思っていない。
せめてリリーサを逃がすまで、何とかしなければと言う思いでいた。
「リリーサを素直に渡せ。そうすればお前もそこのガキ共も命だけは助けてやるぞ?それともウヌ等達全員私に命を奪われ、強引にリリーサを奪う方が良いのか?」
「あなたに渡せば大変なことになることくらい分かっています…だから万に一つの可能性にかけて、あなたと戦うしかありません…」
「ふっ…また俺の仲間になれば、悲惨なことにならずに済むというものを…」
そういった瞬間、格之進の左胸を何かが貫いていった。
「ぱ…パパ!」
テツヤとアラタが叫ぶ。
格之進の胸は、異様に長くなったマァルの右手の人差し指が貫通していた。
「ぐはっ…!」
血反吐を吐きながら、倒れ込んだ格之進。
どう見ても意識があるようには見えなかった…
「さ、ガキ共…リリーサを渡せ」
マァル将軍が笑顔を向けながら、テツヤとアラタに歩を進めていった…
(その4につづく)