生明達から璃彩(リリーサ)を奪うべく、N国ことサウサリコの将軍、マァル・ダー・ハッカーは、側近であるジェロ・アンタレスを筆頭とするモビルスーツ部隊を送り込んだ。
地球連邦軍のレーダーが、それをキャッチし、迎撃部隊が出撃された。
かくして、モビルスーツ同士によるバトルが開始されたのだった…
スマートフォンの動画で、それを確認したアラタが生明に言った。
「ママ、N国のモビルスーツって、こっちに向かっているみたいだよ」
「うん、そうだろうねぇ…しかし、どうしてもリリを手に入れたいみたいんだな、あの人たち?!」
そこへ格之進が割って入る。
「地球連邦軍が足止めしてくれている間、僕らもこの場をするべきでは…?」
「逃げきれるならそうしたいけど、どうも毎回嗅ぎつけられるのよねぇ…」
と生明が格之進を意味ありげに見つめた。
「え…?!いや、僕がN国に教えてる、なんてことはないぞ!本当だって!」
すると生明は笑って
「分かってるわよ。でも…ちょっと大人しくしててね」
と言って、生明は格之進の額に手を当て、目をつぶった。
「な、なにをしてるの…?」
「静かにして」
「は、はい」
「…うーん、そっか。あなた、自覚ないかもだけど…ビスタムのチカラをわずかに感じるわ」
「へ?!なんだって?」
「そこで質問。ナントカ将軍(←もはや名前覚える気ないやつ)って、ビスタムのチカラ持ってたりするのかな?」
「わからないよ…そもそもビスタムって何かがわかってないんだもの」
「そっか。まぁ、確かに」
「でも、そのビスタムのチカラというものが、僕の中に…?」
「うん…まぁ、あなたなら不思議じゃないけどさぁ」
「ど、どういうこと…?」
そこへまたアラタが「ママ、何か1体、めちゃくちゃ強いのが居る!」と叫んだ。
その言葉を聞いて、生明と格之進がアラタのスマートフォンを覗き込んた。
「あ…これは…ディランザ?もう完成してしまったのか!…てことは、ジェロ参謀長が…」(格之進)
「なに、それ?凄いの?じゃ、あたし、Fちゃんでどの程度か試してくる!」(生明)
「え、ちょっ…待ってよ、生明さん!ここはどうなるんだよ?」
「そんな頼りないこと言わないでよ。見てご覧?もう連邦軍のモビルスーツ、殆ど残ってないじゃないの。少しでも遠くであたしが足止めしないといけないでしょ?それに、あなたもN国の工作員だったんでしょ?テツヤとアラタも居るし、最強トリオじゃないの」
「そ、そんなー」
こうして生明は戦場へと向かって行った。
ディランザに乗ったジェロがレーダーでF00ユニコーンガンダムの接近を確認した。
「ほう…まさか向こうから出向いてくれるとはな…」
と、ジェロはニヤリと笑った。
そして数分後、F00ユニコーンが戦場に到着し、ジェロと対峙した。
「よくぞ、自らやってきたな。わざわざヤラレに来たのか!」
「ふふ、そういうことにしておいてあげるわ。か弱き乙女なんで、優しくしてね♥」
「ふ…ふざけやがって!そんなちんちくりんなモビルスーツで、私に勝てると思ってるのか!?」
こうして、両者のバトルが始まったのだった。
(その2へつづく)