第14話「人工ビースタム」その1 | にゃんすけのオモチャ箱

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生明は璃彩(リリーサ)の泣き方に、一抹の不安を覚えた。


「…やべっ。来た…!」


ドドーン!という大きな音と共に、地面から出てきたのはビースタム…凶暴化したビスタム…が出てきた。


生明はその姿を見た瞬間、別世界で戦ったビースタム(=ソラの変身した)の記憶が、頭の中にフラッシュバックしてきた。


「うっ…嫌な思い出が蘇ってきたよ…」


「生明さん、アレは…なに?ビスタムなのかい?」

格之進が生明に尋ねた。


「ま、そんなところね。…ちょっと…いや、かなりか。凶暴化してっけどね」


生明は仕方なくビスタムに変身しようとしたが…

そこへ生明のタブレット(F00とのやり取りをする為の機器)から、声がした。


「生明、僕に乗らないの?変身するのは危険なんじゃないの?」


「でも…大きさが…」

F00ユニコーンは10m、ビスタムは53m、ビースタムは60mとなっている。


「そんなの大丈夫!生明と僕がチカラを合わせれば、誰にも負けないだろ?大きさに差があっても、そんなの関係ないって!」


「…わかったわ。じゃ、今すぐココへ来て!」


「よっしゃ!」


F00ユニコーンは直ぐ様やってきた。

生明は搭乗して操縦桿を握ろうとしたが…


「え…、なに、なに?!」


一気にコクピット内で、生明は四肢を固定され、頭部も何やら機械に取り込まれて何も見えなくなってしまった。


「ちょっ…なによ、これ!」

とパニックになった生明だが、ヒュンっという音と供に意識が一瞬にしてなくなってしまった。


F00は体中から発光体…サイコフレームが現れ、一角アンテナが左右に開き、顔が変化し、ユニコーンモードからデストロイモードへと、変身したのだった。








「生明、ごめんね、騙したみたいで」


ビースタムはF00の姿を認めると、一気に襲いにかかってきたのだった…








その様子をモニターで見ていた、N国(サウサリコ)のマァル将軍は、いかにも楽しげに笑い出した。


「ククク…さて、ジェロよ。どこまで本物のビースタムに迫れるか、せいぜい頑張ってみろ」


しかし側近たちは、別の心配もあった。

「あのモビルスーツ…変形しましたね…大丈夫なんでしょうか?!」


「案ずるな…例え負けても、悲観する必要はない。何しろあのビースタムは、実験台なのだからな…」


「は、はぁ…」


「それより、うぬ達は自分の心配でもしろ。任務に失敗すれば、お前らもあの薬を飲むことになるからな」


それを耳にした側近たちは、一気に血の気が引いた…


「ま、人工ピースタムが多ければ多いほど、私の目的は達成しやすくなるがな」

と、マァル将軍はニヤリとした。


側近たちは、更に生きた心地がしなくなったのだった…


(その2へつづく)