生明が家に戻ると、格之進、テツヤ、アラタが倒れていたのを発見し、愕然とした。
『ちょっ…まっ…みんな、どうしたの?!』
とりあえず、テツヤとアラタの意識を戻し、格之進を見たが…左胸をひと突きされて出血したのを見て、流石に生きているとは思えなかった。
「格之進さん…なんで…」
生明は思わず、涙を流した。
「テツヤ、何があったの?」
アラタに比べ、ダメージが少なそうに見えたテツヤに生明が尋ねた。
「あ、僕が答えるよ」
と格之進がムクっと起き上がった。
「わっ!お、おばけ…!いや、ゾンビか?!くそー、喰らえ、生明ちゃんスペシャルキックをお見舞いだっ!」
と格之進に見事なローキックを決めた。
「い、いてぇーーーーー!」
格之進が崩れ落ちた。
「ママ、ゾンビじゃなくてアンデッドって言うんだよ!」
と、アラタが訂正した。
「ウォンテッド?!それは指名手配なんじゃないかな?」
「ウォンバット?」(テツヤ)
「あ、コンバットか(笑)それならあたしも知ってる!」(生明)
と会話が進んだところで
「いっ…いい加減にしてくれ!ゾンビでもトンビてもでもアンデッドでもフライドポテトでもねぇ!い・き・て・る・の!お・れ・は!」
と格之進がブチ切れた(最後のはかなり苦しいが)。
「ほんとぉ!よ…よ、良かったあ〜!」
と生明はホンキで安堵して、へたり込んだ。
テツヤとアラタは顔を見合わせて言った。
「絶対途中から気づいていたよね」
「それな」
「ところで、りりは?!どこにいるの?!」
「あ…実は…」
気まずそうにテツヤが語り始めた…
(その3へつづく)